• 本

がん消滅の罠 完全寛解の謎

出版社名 宝島社
出版年月 2017年1月
ISBNコード 978-4-8002-6565-4
4-8002-6565-7
税込価格 1,490円
頁数・縦 325P 19cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 治る可能性が限りなく低いがんは、何故消失したのか?

    日本がんセンター呼吸器内科医員の夏目典明が余命診断をした四人のがん患者。その四人は、ある一定の余命を切るとその時点で死亡保険金の支払いが行われる「リビングニーズ特約」の保険金が支払われていることで共通していた。不審ではあったが、不正の痕跡は見当たらなかった。しかし四人目の患者のがんが消失し完全寛解したため、夏目の高校時代からの友人で保険会社に勤務する森川は詐欺の可能性を考え、患者の元を訪ねるが嘘を吐いているようには思えなかった。しかしがんが消失していたのは四人目の患者だけではなかった……。そして並行して綴られる不穏な《湾岸医療センター》の物語。ということで本書は、治る可能性が限りなく低いがんが何故消失したのか、という不可解な謎を追う医学ミステリです。
    解決不可能にしか思えない異常な謎と油断のならない展開が魅力的な作品です。そして解き明かされた謎は衝撃的であるだけではなく、《医師にはできず、医師でなければできず、そしてどんな医師にも成し遂げられなかったこと》という物語の前半に出て来る台詞が思い出され、倫理観について強く考えさせられるものになっています。

    (2017年1月20日)

商品内容

文学賞情報

2016年 第15回 『このミステリーがすごい!』大賞受賞

要旨

治るはずのないがんは、なぜ消滅したのか―余命半年の宣告を受けたがん患者が、生命保険の生前給付金を受け取ると、その直後、病巣がきれいに消え去ってしまう―。連続して起きるがん消失事件は奇跡か、陰謀か。医師・夏目とがん研究者・羽島が謎に挑む!医療本格ミステリー!2017年第15回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作。

おすすめコメント

選考委員絶賛、第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞作! ・史上最高レベルの医療本格ミステリー。こんなとんでもない謎を正面に掲げるとは前代未聞、大胆不敵。(大森望) ・まったく見当のつかない真相。謎の設定がとにかく素晴らしい。(香山二三郎) ・最前線でがん治療に当たる医療現場が抱える今日的問題をテーマに、圧倒的ディテールで描く医学ミステリー。(茶木則雄) ・この小説の「売り」は「がん消失」の驚くべき企みとその真相だ。(吉野仁) 日本がんセンター呼吸器内科の医師・夏目は、生命保険会社に勤務する森川から、不正受給の可能性があると指摘を受けた。夏目から余命半年の宣告を受けた肺腺がん患者が、リビングニーズ特約で生前給付金3千万円を受け取った後も生存しており、それどころか、その後に病巣が綺麗に消え去っているというのだ。同様の保険支払いが4例立て続けに起きている。不審を抱いた夏目は、変わり者の友人で、同じくがんセンター勤務の羽島とともに、調査を始める。一方、がんを患った有力者たちから支持を受けていたのは、夏目の恩師・西條が理事長を務める湾岸医療センター病院だった。その病院は、がんの早期発見・治療を得意とし、もし再発した場合もがんを完全寛解に導くという病院。がんが完全に消失完治するのか?いったい、がん治療の世界で何が起こっているのだろうか―。

著者紹介

岩木 一麻 (イワキ カズマ)  
1976年、埼玉県生まれ。神戸大学大学院自然科学研究科修了。国立がん研究センター、放射線医学総合研究所で研究に従事。現在、医療系出版社に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)