書店レビュー
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
ポエニ戦役を通じて、ローマは外の敵を取り除くことに成功した。急速に大きくなったローマは、それにともなう「内なる敵」すなわち経済構造の激変に直面する。結果として生じた深刻な問題が無産者の出現だった。著者が語った次の言葉が印象的だ。「人間が人間らしく生きていくために必要な自分自身に対しての誇りは、福祉では絶対に回復できない。職を取り戻してやることでしか、回復できないのである」と。
かつてヘーゲルは『法の哲学』で市民社会について考察し、自分の人生の基本を職業生活に求めて、初めて相応の”誇り”も得られるのだと説いた。そして、幸田文の『流れる』では、主人公の梨花が広いが退屈なしろうとの世界より、狭いが豊かな芸者置屋の世界を転職先に選んだ。これは安楽さよりも、まずその職業に自分の人生を賭けることが出来るかどうかが自身の”誇り”を左右することをも意味しよう。
この巻のローマの迷走は、経済活動における自由を拡大しようとした苦闘の歩みであるといえる。そのシステム改良の積み重ねが、ローマの歴史そのものでもあるのだ。(2012年1月4日)
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商品内容
| 要旨 |
紀元前2世紀半ば、強大国であったカルタゴを滅亡させ、ローマは地中海世界の覇者と呼ばれるようになっていた。しかしそのローマも次第に内部から病み始める。名将スキピオ・アフリカヌスの孫であり、若き護民官となったティベリウス・グラックスは、改革を断行すべく、強大な権力を握る元老院に挑戦するが、あえなく惨殺される。遺志を継ぎ護民官となった弟ガイウスの前にも「内なる敵」は立ちはだかる。 |
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| 目次 |
第1章 グラックス兄弟の時代(紀元前一三三年〜前一二〇年) |


