永遠の故郷喪失者ショパンが目前に迫る死を振り払い、鍵盤の上に奇跡を呼ぶ。“絵画の虐殺者”ドラクロワが恐るべき魂の闇と対峙し、至高の色彩に挑む。小説家サンドがショパンへの愛を超え、革命の夢を追う。激動する十九世紀パリを舞台に、芸術家達の群像を遍く描き尽くす空前絶後の超大作。

芥川賞史上最年少受賞から３年。沈黙は、この驚くべき作品のために捧げられた。ショパンとドラクロワを主人公に、芸術家の魂を描ききる壮大な人間劇。