• 本

新潮文庫

出版社名 新潮社
出版年月 2003年1月
ISBNコード 978-4-10-144016-3
4-10-144016-6
税込価格 935円
頁数・縦 517P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 平成7年度、第114回直木賞受賞作。著者43歳の時の作品である。この回は受賞者が二人出たが、ちなみにもう一人が5月末に他界された藤原伊織氏である。本作品は小池真理子さん三部作の第2番目にあたる。作家として最も脂の乗っている時期に書かれたものだけに、素晴らしい出来栄えである。幸福な三人の関係が、新たな闖入者によりバランスを失い崩壊してゆく筋立ては、三部作最初の『無伴奏』と共通したものがある。全編通じて流れる虚無感、ささいなエピソードですら結末との連携を失わない構成力は見事。殺人を犯す主人公に対し共感すら抱かせてしまうほど真に迫る描写は、まさに読書の愉しみを実感させてくれる。ごく普通の人間が人を殺すとはどのような状況だったのか。虚構とはいえ異常なまでのリアリティが脳に衝撃を与える。その衝撃を耐えて最後までたどり着けた読者には、著者から素敵なラストプレゼントが待っている。絶対おすすめの1冊である。(のり)

    (2007年7月1日)

商品内容

要旨

1972年冬。全国を震撼させた浅間山荘事件の蔭で、一人の女が引き起こした発砲事件。当時学生だった布美子は、大学助教授・片瀬と妻の雛子との奔放な結びつきに惹かれ、倒錯した関係に陥っていく。が、一人の青年の出現によって生じた軋みが三人の微妙な均衡に悲劇をもたらした…。全編を覆う官能と虚無感。その奥底に漂う静謐な熱情を綴り、小池文学の頂点を極めた直木賞受賞作。

おすすめコメント

誰もが落ちる恋には違いない。でもあれは、ほんとうの恋だった――。小池文学の頂点を極めた直木賞受賞作。1972年冬。全国を震撼させた浅間山荘事件の蔭で、一人の女が引き起こした発砲事件。当時学生だった布美子は、大学助教授・片瀬と妻の雛子との奔放な結びつきに惹かれ、倒錯した関係に陥っていく。が、一人の青年の出現によって生じた軋みが三人の微妙な均衡に悲劇をもたらした……。全編を覆う官能と虚無感。その奥底に漂う静謐な熱情を綴り、小池文学の頂点を極めた直木賞受賞作。

著者紹介

小池 真理子 (コイケ マリコ)  
1952(昭和27)年、東京生れ。成蹊大学文学部卒業。’89(平成元)年に「妻の女友達」で日本推理作家協会賞の短編部門を受賞。’96年に『恋』で直木賞を、’98年には『欲望』で島清恋愛文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)