書店レビュー
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- 藤乃屋書店 (東京都大田区)
様々な想像を喚起させる、このお洒落なタイトルに惹かれて手にとった。
’D’が複合って?どういうことだろう。
何十冊と書店に並ぶ著者の作品の中からどれを選ぶかは、’直感’に頼らない限り、多すぎて時間がかかりすぎてしまう。これだけ沢山ある彼の作品を選ぶ場合は、平台に並ぶ超有名作で安全圏狙いの選び方もいいけれど、背表紙の棚からそこにあるたった1冊を選ぶといった自分だけのプレミア感が、その小説の面白さのオリジナルスパイスになる。
これが例えば、『Dの複合殺人事件』とか『Dの暗号』というような、物語の内容を容易く想像させる表題だったら、この本は手にとっていなかったかもしれない。
流行らない小説家・伊瀬の身近で2人の人物が不慮の死を遂げる。ある旅行雑誌に連載することになった自らの随筆が、その死に絡んでいるのでは、と気づいた頃には時既に遅し。偶然ながらまことに奇妙な話の複合が、伊瀬と読者を事件の渦中へと巧みに巻き込んで行く。
浦島太郎と羽衣伝説の説話や、見たものすべてを計算せずにはいられない数学狂の女の話がこの推理小説を彩っていて、とても面白い。
そして”Dの複合”というタイトルの謎を解き明かしたい方は、是非読んで頂きたい。
なるほど!そういうことか!と思うはず。(2009年6月25日)
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商品内容
要旨 |
作家の伊瀬忠隆は雑誌の依頼を受けて「僻地に伝説をさぐる旅」の連載を始めた。第一回浦島伝説の取材地丹後半島いらい、彼の赴くところ常に不可解な謎や奇怪な事件が絶えない。そして突然の連載打切り。この企画の背後に潜む隠された意図の存在に気づいたとき、伊瀬は既に事件の渦中に巻き込まれていた。古代史、民俗説話と現代の事件を結ぶ雄大な構想から生れた本格的長編推理小説。 |
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おすすめコメント
作家の伊瀬忠隆は雑誌の依頼を受けて「僻地に伝説をさぐる旅」の連載を始めた。第一回浦島伝説の取材地丹後半島いらい、彼の赴くところ常に不可解な謎や奇怪な事件が絶えない。そして突然の連載打切り。この企画の背後に潜む隠された意図の存在に気づいたとき、伊瀬は既に事件の渦中に巻き込まれていた。古代史、民俗説話と現代の事件を結ぶ雄大な構想から生れた本格的長編推理小説。