• 本

生きながら火に焼かれて

出版社名 ソニー・マガジンズ
出版年月 2004年4月
ISBNコード 978-4-7897-2261-2
4-7897-2261-9
税込価格 1,760円
頁数・縦 315P 20cm

商品内容

要旨

中東シスヨルダンの小さな村。学校にも通わず、鞭で打たれながら奴隷のように働く17歳の少女スアド。恋愛は死に値する行為と知りながら、恋する気持ちは止められなかった。今なお虐待と死の危険にさらされている女性たちの、衝撃の記録。

目次

第1部 第一の人生(育った村の記憶
消えた妹ハナン
殺される女性たち ほか)
ジャックリーヌの証言(火あぶりにされた少女との出会い
決死の救出)
第2部 第二の人生(再生
結婚
絶望と罪の意識のなかで ほか)

内容抜粋

本書より

1970年代後半、中東シスヨルダンのちいさな村で、ある少女が、義理の兄に生きながら火あぶりにされた−−恋をして、性交渉をもったために。女性は日々奴隷のように働き、ひたすら男性に服従しなければならないその村では、男性と視線を交わしたというだけで娼婦(シヤルムータ)呼ばわりされる。結婚前の恋愛・性交渉は家族の恥であり、名誉を汚した娘は、死をもって償わねばならない。名誉のために実の娘を殺害するというこのおぞましき行為は「名誉の殺人」と呼ばれ、手を下した男は「英雄」とみなされる。賞賛されこそすれ、殺人者として非難されることはない。重度の火傷を負いながらも奇跡的に救出された少女は、現在ヨーロッパで第二の人生を歩んでいる。そして、この知られざる「名誉の殺人」の生き残りとして証言することを決意した。虐待され命を脅かされているすべての女性たちのために、そして今なお続く野蛮な因習を世に知らしめるために。いまだ家族に命を狙われる危険があるため、彼女は本名を明かすことも素顔をさらすこともない。本書はまさに、命を賭した告発である。

著者紹介

スアド (スアド)   Souad
中東シスヨルダンの小さな村に生まれる。17歳のとき初めて恋をし、子供を身ごもったため、家族の名誉を汚した罰として義理の兄から火あぶりにされる。重度の火傷を負いながらも奇跡的に救出され、20回以上の手術を経て、現在ヨーロッパで夫と子供たちとともに新たな人生を歩んでいるが詳細は公表していない
松本 百合子 (マツモト ユリコ)  
上智大学仏文科卒。翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)