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第三阿房列車

新潮文庫

出版社名 新潮社
出版年月 2004年7月
ISBNコード 978-4-10-135635-8
4-10-135635-1
税込価格 693円
頁数・縦 293P 16cm

商品内容

要旨

「長崎へ行こうと思う。行っても長崎に用触はないが、用事の有る無しに拘らず、どこかへ行くと云う事は、用事に似ている。だから気ぜわしない」。ヒマラヤ山系氏を共づれの、珍道中がまた始まった。途次、病を得た百諱(けん)先生は、舞聊をかこつあまり「なまけるには体力が必要である」という真理まで発見した。走行距離は総計約1万キロ。名作随筆「阿房列車」シリーズはついに完結を迎える。

目次

長崎の鴉―長崎阿房列車
房総鼻眼鏡―房総阿房列車
隧道の白百合―四国阿房列車
菅田庵の狐―松江阿房列車
時雨の清見潟―興津阿房列車
列車寝台の猿―不知火阿房列車

著者紹介

内田 百〓 (ウチダ ヒャッケン)  
1889‐1971。本名・内田栄造。別号・百鬼園。岡山市に酒造家の一人息子として生れる。旧制六高を経て、東京大学独文科に入学。漱石門下の一員となり芥川龍之介、鈴木三重吉、小宮豊隆、森田草平らと親交を結ぶ。東大卒業後は陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学のドイツ語教授を歴任。1934(昭和9)年、法大を辞職して文筆家の生活に入った。初期の小説には『冥途』『旅順入城式』などの秀作があり、『百鬼園随筆』で独自の文学的世界を確立。俳諧的な風刺とユーモアの中に、人生の深遠をのぞかせる独特の作風を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)