• 本

海の仙人

出版社名 新潮社
出版年月 2004年8月
ISBNコード 978-4-10-466901-1
4-10-466901-6
税込価格 1,430円
頁数・縦 154P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  •  2006年度「沖で待つ」で芥川賞を受賞する以前、著者は2003年〜2004年にかけて、3回連続で同賞の候補作に選ばれている。本作はその2回目の候補作となった作品である。作品中の各エピソードに通底する厭世的な世界観は、初期の藤沢周平作品と似たものを感じる。作品中に登場する狂言廻し「ファンタジー」の吐いた言葉にあったように、自らが自らを救う、というのが本作の大きなテーマであろう。他に救いを求めたため壊れてゆく様々な人間の姿を通じ、自ら救いを求める行為の尊さを浮き彫りにした一作。(のり)

    (2006年6月11日)

商品内容

文学賞情報

2004年 第55回 芸術選奨・文部科学大臣新人賞(文学関係)受賞

要旨

碧い海が美しい敦賀の街。ひっそり暮らす男のもとに神様がやって来た―。「ファンタジーか」「いかにも、俺様はファンタジーだ」「何しに来た」「居候に来た、別に悪さはしない」心やさしい男と女と神様。話題の新鋭、初の長編。

著者紹介

糸山 秋子 (イトヤマ アキコ)  
1966年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。メーカーに入社、営業職として福岡、名古屋、高崎などに赴任。2001年、退職。2003年、「イッツ・オンリー・トーク」で第96回文学界新人賞を受賞。同作品は第129回芥川賞候補となる。2004年、「袋小路の男」で第30回川端康成文学賞を受賞。「海の仙人」で第130回芥川賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)