書店レビュー
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
小林秀雄がベルグソンを語った作品。『物質と記憶』について語った部分は、第17章後半部から第26章末にかけての約75ページである。しかし、この他にも興味深い箇所がある。小林秀雄は第5章において、ベルグソンほど芸術を重んじた哲学者はいまい、と述べている。数学者の藤原正彦氏が、著書の中で役に立たないものを尊ぶことが、天才を生む条件の一つであると述べていることから想起するに、この哲学の大天才が実生活には何の役に立たない芸術を愛していた事実は、記憶されてよいだろう。『物質と記憶』本編を読んだ後、本書に取り掛かるのがよかろうと思われる。なぜなら、小林氏の著述はベルグソンの記述に忠実に沿ったレビューであるからだ。小林氏自身の意図は、『物質と記憶』に関する限り、この難解な書を一般の読み手にわかりやすく伝える、そのことにあったのではないか、と思われるのである。(のり)
(2009年1月25日)
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商品内容
要旨 |
昭和三三年、五六歳の春から雑誌連載五年―。昭和三八年夏に中断し、晩年には出版も禁じたベルグソン論。著者の遺志の告知のために、特に別巻として収録する。 |
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おすすめコメント
昭和三三年、五六歳の春から雑誌連載五年―。昭和三八年夏に中断し、晩年には出版も禁じたベルグソン論・・・。著者の遺志の告知のために、特に別巻として収録する。