• 本

見えない貌

出版社名 光文社
出版年月 2006年7月
ISBNコード 978-4-334-92505-5
4-334-92505-7
税込価格 1,980円
頁数・縦 579P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 流行作家夏樹静子さんの長編推理小説である。小説の性格上、概要はe−honホームページを御参照いただくにとどめ、このレビューでは本作品の読みどころに絞って紹介したい。母と子をテーマに長年書き続けている著者であるが、本書の朔子が晴菜に示す愛情の描き方はさすがと思わせるものがある。親子の愛も行き過ぎれば時に異常な結果を生むことがある。しかし、もし幸運にもその根底にある事実を知り得たなら、親子愛の生んだ悲劇に心を痛み、一言で歪んだ愛情と言い切ることは難しい。ドラマはわれわれの身近なところに存在しているのである。それにしても本文に登場するメールの文面は生々しい。他人の秘密を覗き見したとき感じる心の高ぶりと、同時に受ける中身の重さと比例する罪悪感とはこのようなものなのだと体感させられる。このリアリティは読み手が最も満足感を得られる部分であり、本作の成立に大きく寄与していることは疑いない。500ページを超える長編だが、読み通すだけの価値は間違いなく保障できる1冊である。(のり)

    (2007年10月31日)

商品内容

要旨

行方不明になった娘は、無惨に殺されていた!事件を追う母親・日野朔子は、「メル友に会いに行く」という言葉と残された携帯電話からある男にたどりついたが…。思いもかけぬ、第二の事件が発生する!現代の歪んだ“道具”と人間関係の中に描き出された親子の絆とは?著者、五年ぶりの最新長編推理、堂々の刊行。

出版社
商品紹介

行方不明の娘は無惨に殺されていた。親子の引き裂かれた絆を、現代の歪んだ道具と人間関係の中に描き出した傑作長編。

おすすめコメント

これが、命を奪われた我が子への究極の愛。 現代の親子の絆の哀切を描く、堂々の推理巨編1200枚! 「メル友と繋がっていなければいられないほど、寂しくて孤独だった。そして最後には、晴菜の不安をはるかに超える恐ろしい結末が待ち受けていた。私が早く気付いていれば!朔子は鋭い刃で胸を抉られ、息が止まるような気がした」(本文より)  行方不明になった娘は、無惨に殺されていた!  事件を追う母親・日野朔子は、残された携帯電話からある男にたどりついたが……。思いもかけぬ、第二の事件が待っていた。 綿密な取材と法廷小説の手法を駆使して、読者を驚愕の真相へと導く。

著者紹介

夏樹 静子 (ナツキ シズコ)  
東京都生れ。慶応義塾大学英文学科卒。大学在学中に『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補になる。1970年、『天使が消えていく』が再び江戸川乱歩賞候補。1973年、『蒸発』で第26回日本推理作家協会賞。『第三の女』が、フランスの第54回犯罪小説大賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)