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遠藤周作と歩く「長崎巡礼」

とんぼの本

出版社名 新潮社
出版年月 2006年9月
ISBNコード 978-4-10-602149-7
4-10-602149-8
税込価格 1,540円
頁数・縦 127P 21cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 長崎に雨が似合うのは、かつてたくさんの涙を流した過去があるからでしょうか?「沈黙」、「女の一生」をはじめとして、長崎を舞台にした数々の作品を世に送り出した作家の自らの心のルーツを辿る旅。11歳でカトリックの洗礼を受けた遠藤周作にとってこの地を歩くことは母胎に帰るように感じられたかもしれません。同じ九州でありながら、西欧と深くかかわり独特の歴史を刻んできたこの街を訪れることがあるのならば是非一読を。  旅をより深いものにしてくれます。

    (2014年3月29日)

商品内容

要旨

奉行所跡でロドリゴ神父の踏絵シーンに泣き、大浦天主堂でキクの哀しい最期に泣き、浦上村でサチ子の被爆悲話に泣く…。作家は雨の街角で、狭い路地で、何を考え、何を見出したか?「沈黙」、「女の一生」の足跡を辿る―。

目次

「沈黙」の舞台を歩くその1 旧外海町+大村―トモギ村に栄光!
「沈黙」の舞台を歩くその2 西坂から本河内―強い者も弱い者もない
「沈黙」の舞台を歩くその3 風頭山から旧外浦町―キリストが求めたものは?
「女の一生」の舞台を歩くその1 旧浦上村―愛と哀しみの浦上村
「女の一生」の舞台を歩くその2 丸山から大浦天主堂+大籠町―キクの祈り
「女の一生」の舞台を歩くその3 雲仙・島原―あたかも殉教のなきがごとく
横瀬浦―宣教師の時代そのまま
生月―かくれ切支丹の島
平戸・五島列島―ある日、遠い海から…

おすすめコメント

遠藤文学の頂点「沈黙」、「女の一生」を辿る「感動の旅へ」、いざ出発!  奉行所跡でロドリゴの踏絵シーンに凜とし、大浦天主堂でキクの哀しい最期に泣 き、浦上村でサチ子の被爆体験に祈る――。長崎を心の故郷と呼んだ作家は、そ の狭い路地で、雨に濡れる街角で、何を感じ、何を考え、何を見出したのか?  キリシタンゆかりの地を名文と共に辿れば、遠藤文学の新しい読み方が見えてく る……。

出版社・メーカーコメント

【編集者のひとり言】

「沈黙」「女の一生」の中で、遠藤 さんが投げかける様々な問いかけに 自分なりの答えを見出したくて、長 崎中を歩いてきました。作品の現場 で、作家と同じ目線に立つことで、 ヒントを掴めた気がします。遠藤文 学再発見の旅へ、どうぞご一緒に!

著者紹介

遠藤 周作 (エンドウ シュウサク)  
1923(大正12)年、東京生れ。幼年期を旧満州大連で過ごし、神戸に帰国後、11歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。フランス留学を経て、1955(昭和30)年「白い人」で芥川賞を受賞。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア作品、歴史小説も多数ある。1995(平成7)年、文化勲章受章。1996年、病没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)