• 本

砂の器 上

改版

新潮文庫 ま−1−24

出版社名 新潮社
出版年月 2006年10月
ISBNコード 978-4-10-110924-4
4-10-110924-9
税込価格 825円
頁数・縦 462P 16cm
シリーズ名 砂の器

書店レビュー 総合おすすめ度: 全3件

  • 人はだれでも忘れたい過去がある。それが人間の証である。

    過去を捨てて輝いている今がある。
    裕福は生活を送る事が人生で一番重要であると思うことが、時として人間本来のあるべき姿を忘れさせてしまう。
    人として家族や友人を思いやる心は「宿命」という一言で片付けられない一生の課題であり義務でもある。
    貧しくとも心が通じ合え、やさしい気持ちになれることが本当の幸である。

    (2009年6月25日)

  • 崩れる砂に想うこと_砂の器に寄せて_

    松本清張は随分昔から好きでずっと読んでいるが、中でもこの砂の器は非常に好きだった。東京の蒲田駅の操車場から一人の男の死体が発見されるところから物語は始まる。始まりとしてはまさに推理小説だが、この話はむしろ私は、ひとつの人間ドラマであると思う。テレビで放映されたドラマを見た方は何も疑問を感じずにご覧になられただろうが、この話は実は相当昔に書かれたものなのだが、今改めて見ても全く時代の古さを感じさせない。松本清張の凄さはそこにあると思う。時代背景に頼った設定の推理小説ではなく、人の心の中を鋭く見つめた作品だから何年たっても色あせない。私が清張を好きな理由もそれで、単なる奇抜なトリックや面白い犯罪の構成だけではなく、人の心理を追い続けての描写がすばらしい。この話の中でも主人公の心の中を深く追い続け、まるで砂で作られた脆い偶像がボロボロ壊れるように、一人の男の心の中が、手のひらから砂が零れ落ちるように崩れていく様が、実に見事に描かれている。ドラマを見た方に(もちろん見ていない方にも)是非言いたい。絶対に一度は原作を読むべきだと。読んで単なる推理小説ではない「松本清張の推理小説」を知って欲しい。

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    (2009年6月23日)

  • 手から砂がこぼれ落ちるように。

    東京、蒲田駅の操車場で男の死体が発見された。そこから始まる人間ドラマの何と素晴らしいことか。ずいぶん前に書かれているのに、古さは微塵も感じさせず、色あせない面白さ。松本清張はやっぱりすごいですよ、みなさん。

    (2009年6月19日)

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おすすめコメント

惨殺死体。被害者が残した謎の言葉〈カメダ〉。犯人と被害者を結ぶものは何か?東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する……。

著者紹介

松本 清張 (マツモト セイチョウ)  
1909‐1992。小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。’58年の『点と線』は推理小説界に“社会派”の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)