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乳と卵

出版社名 文藝春秋
出版年月 2008年2月
ISBNコード 978-4-16-327010-4
4-16-327010-8
税込価格 1,234円
頁数・縦 138P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全3件

  • 1センテンスが長いから、最初は親しめなかったが、それを押して読み続けたら、その長さが逆に心地よさに変わった。大阪弁のリズムの心地良さも加わり、一層読むスピードが上がる。何を主題にしようとしたか、作者の意図は掴めないが、よむ人によって色んな読み方ができると思う。離婚した母と子の関係、言葉を発することが出来ず、筆談でしか意思疎通ができない子ども、これは現代の病理とも取れるし、母と子の関係とも取れる。この母の整形したいと言う願望がどこからくるのか?などなどテーマはいっぱいある、受け取る人夫々であればいいと思う。キチンと世界が構築されていて、作者の技量が感じられた。

    (2008年4月7日)

  • 久々に芥川賞らしい感じがします

    文章とは裏腹に、割と丁寧でやさしい起承転結で、やっぱこうくるよなと思いつつ、やっぱクライマックスは、久々の鳥肌もんでした。極端に物語がすごいわけじゃなく、群衆物語を1つのキャラクターに執着したらこうなった的な、エピソード集合体。そのエピソード自体は実に考えるということを示唆してくれるような雰囲気。ただ文章自体は、好き嫌いがあると断言できます。正直、読みやすくはないです。でもうまいと思うな、この表現方法は。まだ荒いけど今後が楽しみな作家さんですね。併録作については、パス…。んーって感じでした。

    (2008年3月4日)

  • 大阪弁は炸裂してません。

    元書店員(駸々堂)にして元ホステス、現在は歌手にして作家。話題の芥川賞受賞作。コンプレックスから豊胸手術をしようとする語り手の姉巻子、巻子の娘で初潮への不安と母への愛憎から喋らない緑子、東京でひとり住まいの語り手夏子の3人だけが主な登場人物。舞台は主に夏子の家。短い期間の狭い空間での話が、抑制された大阪弁で語られる。哀しみあり、笑いあり、涙あり、ドタバタありと昔の松竹新喜劇のよう。大阪弁は炸裂するというほどではないので、東日本の方も抵抗なく読めるはず。

    (2008年2月22日)

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商品内容

文学賞情報

2007年 第138回 芥川賞受賞

要旨

姉とその娘が大阪からやってきた。三十九歳の姉は豊胸手術を目論んでいる。姪は言葉を発しない。そして三人の不可思議な夏の三日間が過ぎてゆく。第138回芥川賞受賞作。

出版社
商品紹介

娘の緑子を連れて豊胸手術のために大阪から上京してきた姉の巻子を迎えるわたし。その3日間に痛快に展開される身体と言葉の交錯。

おすすめコメント

第138回芥川賞受賞作品。文筆歌手を自称、シンガーソングライターとして活動しながら三年ほど前からブログで日記を発表、小説二作目で栄冠を射止めた。初潮を迎える直前で無言を通す娘と豊胸手術を受けようと上京してきた母親、その妹である「わたし」が三ノ輪のアパートで過ごす三日間の物語。全編大阪弁が炸裂するが、文学的に見れば、樋口一葉ばりの息の長い文体が特徴。三人の登場人物の身体観と哲学的テーマが鮮やかに交錯し、魅惑を放つ。

著者紹介

川上 未映子 (カワカミ ミエコ)  
1976年、大阪府生まれ。「夢みる機械」(2004年)「頭の中と世界の結婚」(2005年)などのアルバムをビクターエンタテインメントより発表。2006年、随筆集『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』をヒヨコ舎より刊行。2007年、初めての中篇小説「わたくし率イン歯ー、または世界」が第137回芥川賞候補となる。同年、坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。2008年、「乳と卵」が第138回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)