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日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ

新潮文庫 も−34−1

出版社名 新潮社
出版年月 2008年11月
ISBNコード 978-4-10-136351-6
4-10-136351-X
税込価格 781円
頁数・縦 252P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全2件

  • 「お茶」はとっつきにくいもの!? ではなかった。

    「お茶」というと、伝統と格式、なんだかちょっと古めかしくてとっつきにくい・・・と思われる方が多いのではないでしょうか。私もそんなイメージを持ちながらこの本を手にとってみました。著者自身もはじめはそんな一人だったと言います。「なんでこんな手順が多いの!」「足がしびれる!」「作法がややこしい!」と抵抗感むき出しでした。しかし、そんな気持ちでも著者はお茶を続けます。そして、そのうち水のにおいを感じたり、季節の茶花を探したり、春夏秋冬を心から楽しめるようになっていくのです。「今に気持ちを集中させること」「このままでよいということ」などお茶は著者に生きる上で大切なことをじわ〜っと、それこそお茶が体と心に染み入るように教えていきます。その過程は著者が就職につまづいたとき、失恋、父の死などを通して語られます。 「お茶」は他者を寄せ付けない堅苦しいものではなく、実はとっても懐深い何者も包み込んでしまうようなものだった、と自分の世界がひとつ広がった本です。

    (2014年3月31日)

  • この本は今年読んだ本の中でもベスト3に入るくらい好きな本です。


    まえがきを読んだ瞬間に、この本の持つ純粋なしずくのような感性を感じることができました。

    そのあとは一気に読んでしまうことができました。

    著者の森下さんは普通の人だからこそ、普通の感覚で、お茶での等身大の気づきを丁寧にゆっくりと描いていきます。

    この本は、お茶の本でもあり、人生哲学でもあり、精神世界の本でも、生き方の本でもあります。

    そうして、そのどれかに色分けされない自由さが、また心地いいのです。

    (2011年10月16日)

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商品内容

要旨

お茶を習い始めて二十五年。就職につまずき、いつも不安で自分の居場所を探し続けた日々。失恋、父の死という悲しみのなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた自由。「ここにいるだけでよい」という心の安息。雨が匂う、雨の一粒一粒が聴こえる…季節を五感で味わう歓びとともに、「いま、生きている!」その感動を鮮やかに綴る。

目次

茶人という生きもの
「自分は何も知らない」ということを知る
頭で考えようとしないこと
「今」に気持ちを集中すること
見て感じること
たくさんの「本物」を見ること
季節を味わうこと
五感で自然とつながること
今、ここにいること
自然に身を任せ、時を過ごすこと
このままでよい、ということ
別れは必ずやってくること
自分の内側に耳をすますこと
雨の日は、雨を聴くこと
成長を待つこと
長い目で今を生きること

おすすめコメント

五感で季節を味わう喜び、今ここに自分が生きている満足感、人生の時間の奥深さ……「お茶」に出会って知った、発見と感動の体験記。

著者紹介

森下 典子 (モリシタ ノリコ)  
1956(昭和31)年、神奈川県横浜市生れ。日本女子大学文学部国文学科卒業。大学時代から「週刊朝日」連載の人気コラム「デキゴトロジー」の取材記者として活躍。その体験をまとめた『典奴どすえ』を’87年に出版後、ルポライター、エッセイストとして活躍を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)