夜明けの街で
角川文庫 ひ16−8
出版社名 | 角川書店 |
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出版年月 | 2010年7月 |
ISBNコード |
978-4-04-371808-5
(4-04-371808-X) |
税込価格 | 858円 |
頁数・縦 | 391P 15cm |
書店レビュー 総合おすすめ度: 全2件
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
ミステリー小説の醍醐味は、謎解きの面白さが重要であることは論を待たない。
しかし読む側から見れば、先の見通しがつかない緊張感を最後まで維持できるかが
楽しめるかどうかの必要な条件と言えそうだ。
さて、本作の導入は微妙な男女関係から始まる。かつて九鬼周造は『いきの構造』で「いき」の要素として、異性との間のどう転ぶかわからないような不安定な関係を媚態と呼び第一に挙げた。不安定さはつまるところ緊張感の持続する状態である。
本作が成功しているとすれば、最初”不倫”というきわめて危うい状況から始まり、それが一応の落ち着きを見たすぐ後に、今度は謎解きの闇へと続く、いわば緊張感の質的変換が見事に接続されているという点をまず挙げることができるだろう。
ちなみに読書子は著者の作品の中で、直木賞受賞作が好きなのだ。当時、雑誌連載中のものをリアルタイムで読んでいたが、男女の「いき」と謎解き、両方の緊張感が最後まで途切れることなく持続した作品だった。読者諸子の見方はどうであろうか?(2011年10月14日)
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- 大地堂・ラ・ラ・ルー店 (茨城県潮来市)
冒頭で読者を魅了して、ぐんぐん読ませる作品があります。その点で、東野圭吾は、導入部のマジシャンです。テーマは、夫婦の絆。裏読みのしすぎでしょうか?導入部に「もう一度いう。不倫する奴なんて馬鹿だ。・・・でも、どうしようもない時もある」やはり、マジシャンです。(mogi)
(2010年10月28日)
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商品内容
要旨 |
不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。ところが僕はその台詞を自分に対して発しなければならなくなる―。建設会社に勤める渡部は、派遣社員の仲西秋葉と不倫の恋に墜ちた。2人の仲は急速に深まり、渡部は彼女が抱える複雑な事情を知ることになる。15年前、父親の愛人が殺される事件が起こり、秋葉はその容疑者とされているのだ。彼女は真犯人なのか?渡部の心は揺れ動く。まもなく事件は時効を迎えようとしていた…。 |
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おすすめコメント
この恋はどこまで続くのだろうか? 幸福な家庭で起きた殺人事件。まもなく時効を迎える。僕はその容疑者と不倫の恋に堕ちた――。