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文豪の翻訳力 近現代日本の作家翻訳 谷崎潤一郎から村上春樹まで

出版社名 武田ランダムハウスジャパン
出版年月 2011年8月
ISBNコード 978-4-270-00665-8
4-270-00665-X
税込価格 2,420円
頁数・縦 431P 20cm

商品内容

要旨

村上春樹の精力的な訳業は、二葉亭四迷、森鴎外の「作家翻訳」の伝統を引くものか?文学が行き詰まったとき、転機に差し掛かったとき、現状を打開し新たな可能性を切り拓くものとして、「作家翻訳」は期待され、また機能してきた。作家たちは何を求めて翻訳に挑み、そこから何を獲得したのか?大正期から戦後までの「作家翻訳」の意味と変遷を、多様な視点と綿密な論考でたどった秀作評論。

目次

序章(1) 作家翻訳をいかに問題とすべきか(作家の翻訳という場
翻訳文学を先導するものとしての作家翻訳―再読『洛中書問』論争 ほか)
序章(2) 戦後翻訳史の転回点と作家=翻訳家村上春樹の出発(一九七九‐八二)(戦後翻訳文学史における六〇年代と七〇年代
村上春樹のフィッツジェラルド体験)
第2章 物語作家たちの試み(語りの戦略を訳す(谷崎潤一郎)
翻訳批評、翻訳から創作へ(佐藤春夫) ほか)
第3章 翻訳者としての詩人たち(「方便」としての翻訳(三好達治)
逐語訳から本歌取りとしての翻訳へ(立原道造) ほか)
第4章 戦後作家は何を訳そうとしたのか(幻想の叙法(中村真一郎)
悪夢とユーモアを訳す(長谷川四郎) ほか)

おすすめコメント

作家たちは何を求めて原文と向き合い、何を創りだしたか?村上春樹の精力的な訳業は、二葉亭四迷、森鴎外の「作家翻訳」の伝統を引くものか?日本語文体と日本文学に多大な影響を与えた「作家翻訳」。その変遷と意義を比較文学の第一人者が多様な視点と綿密な論考でたどる。二葉亭四迷、森鴎外の例を待つまでもなく、作家による外国文学の翻訳は日本近代文学の成立に決定的な影響を及ぼした。大正期にも谷崎潤一郎、佐藤春夫、芥川龍之介などが積極的に翻訳を行い、自らの文体を磨き、創作の幅を広げてきた。その頂点とも言うべき存在が村上春樹であり、アメリカ文学の受容と翻訳の取り組みがなければ、現在の村上文学は存在しなかったと言っても過言ではない。作家たちは果たして何を求めて外国文学の原文と向き合い、何をそこから得たのか?日本語と日本文学に、翻訳はどんな影響を及ぼしてきたのか?比較文学の第一人者が、多様な視点から「作家の翻訳」を考察する、畢生の秀作評論。

著者紹介

井上 健 (イノウエ ケン)  
1948年、東京生まれ。東京大学大学院比較文学比較文化専攻修士課程修了。神戸大学助教授、京都大学助教授、東京工業大学教授を経て、現、東京大学大学院総合文化研究科教授。前日本比較文学会会長(2007‐2011年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)