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海賊とよばれた男 上

出版社名 講談社
出版年月 2012年7月
ISBNコード 978-4-06-217564-7
4-06-217564-9
税込価格 1,760円
頁数・縦 380P 20cm
シリーズ名 海賊とよばれた男

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序章

序章

■『海賊とよばれた男』をもっと楽しむために! 登場人物相関図ほか (画像をクリックすると大きくなります)

登場人物相関図

登場人物相関図

著者からのメッセージ

 二年前のある日、テレビ関係の友人と雑談している時、「日章丸事件って知ってる?」と訊かれました。知らないと答える私に、彼女が概要を説明してくれたのですが、それは俄かには信じられない事件でした。いまだ戦争の痛手から立ち直れないでいた昭和28年、「七人の魔女」と呼ばれる強大な力を持つ国際石油メジャーと大英帝国を敵に回して、堂々と渡り合い、世界をあっと言わせた「日章丸」というタンカーがあったというのです。
 興味を抱いた私は早速調べてみましたが、事件の全貌を知るにつれ、驚愕すると同時に震えが止まらなくなりました。そこには現代の日本人が忘れかけている「勇気」「誇り」「闘志」そして「義」の心を持った男たちの姿があったからです。しかしそれ以上に私を驚かせたことがありました。それは、そんな男たちを率いた一人の気骨ある経営者の人生です。その九十五年の生涯はまさしく凄絶としか言いようのないものでした。

 ――なんという凄い男がいたんや!

 私は「この男を書きたい!」と心から思いました。いや――書かねばならない! この素晴らしい男を一人でも多くの日本人に知ってもらいたい!それが作家としての使命だ。
 気が付けば、取り憑かれたようにワープロに向かっていました。小説家になって六年、執筆しながらこれほどの充実感を覚えたことはありません。
 この作品は「小説」という形を取っていますが、登場人物はすべて実在しました。そしてここに描かれた出来事は本当にあったことです。この奇跡のような英雄たちの物語が、一人でも多くの日本人に届くことを心から願っています。

書店レビュー 総合おすすめ度: 全7件

  • 実在の人物をモデルにした、歴史経済小説・・・と聞いて、とっつきにくそうな印象を持って読み始めたのですが、そんなことはまっったくありませんでした!
    最初から読みやすい文章で歴史モノという固さを感じさせません。
    上・下巻ありますが、上巻の前半部分から既に号泣!!
    国岡鐵造が熱い!熱すぎる!!
    戦前〜戦後と現在で置かれた状況は違いますが、同じく「仕事」をしている人間として考えさせられる部分が多くありました。
    そして、これは30代、40代・・・と時を経て読むと、
    また感じ方が確実に変わる本です。10代の時にも読んでおきたかったです。
    人生をともにする一冊に決定です。

    (2013年12月6日)

  • 以前から出光興産は他の会社とは違う好意的な印象を持っていました。この本を手に取り、読み進めるうちにその裏ではこのようなことが行われていたのかという驚きと感動を覚えました。あれだけのことを、たった一人の漢(おとこ)が自分の意思を曲げずにやり遂げたということは、ただただ驚きの言葉しか出てきません。こんな鉄の意志を持った漢(おとこ)は今の世の中にいるだろうか?これからも出てこないかも知れない。とにかく感動しました!!

    (2013年12月5日)

  • 自分の利益のためでなく、人のため、国のために働く主人公。
    どんなに苦しい状況でも努力しつづける主人公。
    こんなにかっこいい日本人はいません。
    「彼のようになりたい!自分も頑張ろう!」と勇気をもらえる小説です。

    (2013年12月5日)

  • 実在の人物をモデルにしたストーリーは、読者をどんどんと引き込みます。
    読み始めると、ページをめくり続けなければ終われない世界へと引き込まれ、
    「人は何のために働くのか」「働くとはどういうことか」を考えさせてくれます。2013年本屋大賞第一位作品。書店員もはまってしまった、すごい作品です。

    (2013年12月4日)

  • いわずと知れた本屋大賞をとった大ベストセラー。
    上下巻、と手に取るとなかなかの厚さですが、一気に読めます。
    国岡鐵造という一人の人物から発せられる熱量の大きさにびっくり。
    自分の信じる道を、どんな困難が目の前にあろうと、まっすぐに進んでいく姿に、ただただ圧倒されます。
    そして彼を支え続けた人々。
    特に日田さんの存在がとても印象的です。
    大丈夫だ、やってみろ、と背中をどーんと押してくれる存在の有り難さ。
    そしてそういう存在が今、あるだろうか、という切なさが同時に胸に湧きます。

    (2013年11月18日)

  • あの「永遠のゼロ」が永遠に読み継いでいかなければならない本だとするならば、「海賊とよばれた男」は、まさに今この時にすべての日本人に読まれてほしい本だと思う。日本には、こんなすごい男がいた。困難の時代に人を信じ続け、信念を貫き続けた男。希望の光を今、この本を読んで感じてください。

    (2013年7月25日)

  • モデルになった出光佐三さんは、福岡県宗像市の出身です!

    全国の書店員が「最も売りたい本」を投票で選ぶ「2013年本屋大賞」が、100万部突破のベストセラー『永遠の0』の著者:百田尚樹(ひゃくた・なおき)さんの長編小説『海賊とよばれた男』に決まりました。石油を通じて世界を支配しようとする白人に対して、徒手空拳で闘いを挑み、勝利した出光佐三さん(福岡県宗像市出身)をモデルとしたドキュメント小説の傑作です。この作品は、出光佐三という「異端の起業家」の物語であるのと同時に、「働く」ということについて、問いかけてくる物語でもあります。

    (2013年4月12日)

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商品内容

文学賞情報

2013年 第10回 本屋大賞受賞

要旨

敗戦の夏、異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐵造は、なにもかも失い、残ったのは借金のみ。そのうえ石油会社大手から排斥され売る油もない。しかし国岡商店は社員ひとりたりとも馘首せず、旧海軍の残油集めなどで糊口をしのぎながら、たくましく再生していく。20世紀の産業を興し、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。その石油を武器に変えて世界と闘った男とはいったい何者か―実在の人物をモデルにした本格歴史経済小説、前編。

出版社
商品紹介

『永遠の0』の百田尚樹氏渾身の書き下ろし。敵は七人の魔女。英国海軍の包囲をかいくぐった日本人の実話をもとにした壮大な叙事詩。(下)も発売。

おすすめコメント

【2013年本屋大賞受賞!】

著者紹介

百田 尚樹 (ヒャクタ ナオキ)  
1956年大阪生まれ。同志社大学中退。関西の人気番組「探偵!ナイトスクープ」のメイン構成作家。2006年『永遠の0』(太田出版)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)