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トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか 低体温症と事故の教訓

ヤマケイ文庫

出版社名 山と溪谷社
出版年月 2012年8月
ISBNコード 978-4-635-04746-3
4-635-04746-6
税込価格 1,045円
頁数・縦 365P 15cm

商品内容

要旨

2009年7月16日、大雪山系・トムラウシ山で18人のツアー登山者のうち8人が死亡するという夏山登山史上最悪の遭難事故が起きた。暴風雨に打たれ、力尽きて次々と倒れていく登山者、統制がとれず必死の下山を試みる登山者で、現場は修羅の様相を呈していた。1年の時を経て、同行ガイドの1人が初めて事故について証言。夏山でも発症する低体温症の恐怖が明らかにされ、世間を騒然とさせたトムラウシ山遭難の真相に迫る。

目次

第1章 大量遭難(十五人の参加者と三人のガイド
ツアー初日
差が出た濡れ対策
出発の判断
異変の徴候
足並みの乱れ
一気に進んだ低体温症
介抱か下山か
決死の下山
遅すぎた救助要請
喜びのない生還)
第2章 証言(面識のなかった三人のガイド
なぜ出発を強行したのか
聞けなかった「引き返そう」のひとこと
支えてくれた人たちのありがたさ)
第3章 気象遭難(遭難時の気象状況
トムラウシ山周辺の気象状況
遭難時の気象の特異性
気象から見たトムラウシ山遭難の問題点)
第4章 低体温症(低体温症との接点
低体温症の基礎
トムラウシ山パーティの低体温症
他パーティの低体温症
低体温症の医学的考察
多様な病態を示す低体温症)
第5章 運動生理学(気象的な問題
身体特性の問題
体力の問題
エネルギーの消費量と摂取量の問題
事故防止に向けた提言)
第6章 ツアー登山(ツアー会社は山のリスクを認識していたか
安全配慮義務と旅程保証義務
ガイドの資格問題
商品に反映されるツアー客のレベル
それでもツアー登山に参加するワケ
ツアー登山は自己責任か)

著者紹介

羽根田 治 (ハネダ オサム)  
1961年、埼玉県生まれ。フリーライター。山岳遭難をはじめ、登山技術、自然、沖縄、人物などをテーマに執筆活動を続ける。著書多数。現在は埼玉と沖縄を行き来する生活を送る
飯田 肇 (イイダ ハジメ)  
1955年、茨城県生まれ。名古屋大学大学院修了。富山県立立山カルデラ砂防博物館学芸課長。立山山域の積雪雪渓調査、ヒマラヤ氷河調査などを主に行なう。日本山岳会によるカンチェンジュンガ登山隊などの学術隊に参加。日本山岳会、日本雪氷学会会員
金田 正樹 (カネダ マサキ)  
1946年、秋田県生まれ。整形外科医師。登山は高校時代から始め、ヒマラヤ登山の経験もある。海外の災害援助の経験も多く、イラク戦争などの医療支援に従事
山本 正嘉 (ヤマモト マサヨシ)  
1957年、神奈川県生まれ。東京大学卒業。教育学博士。登山の運動生理学の研究をライフワークとする。在学中はスキー山岳部に所属。シブリン峰北稜の初登攀、チョ・オユー無酸素登頂など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)