中国と茶碗と日本と
出版社名 | 小学館 |
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出版年月 | 2012年9月 |
ISBNコード |
978-4-09-388258-3
(4-09-388258-4) |
税込価格 | 1,980円 |
頁数・縦 | 301P 19cm |
商品内容
要旨 |
日本には、中国ではいつのまにか廃れてしまった「中国」があると、著者は説く。漢字、着物、端午の節句などの行事等々。しかしそれらの「中国」は、どこか姿を変えた不思議な「中国」なのだ。そして茶の湯に親しむなかで著者は、名物茶碗や国宝茶碗の多くが中国から渡来した唐物で、しかも中国には残されていないことに気づく。なぜ日本人は唐物を自らの“国宝”としたのか。なぜそれらの優品が中国には残っていないのか。中国と日本の間に横たわる広くて深い文化的差異の大海に漕ぎ出した、まったく新しい日中比較文化論の誕生である。 |
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目次 |
第1章 青磁茶碗の謎(中国青磁の原点、越州窯青磁がやってきた |
出版社 商品紹介 |
新進気鋭の中国人女流社会学者による斬新な日本文化論。茶の湯ではなぜ、曜変天目茶碗等の中国製茶碗を珍重するのか。それらの茶碗が中国にまったく残っていないのはなぜか。そこから見えてくる日本文化の本質とは。 |
出版社・メーカーコメント
若き中国人研究者が読みとく日本文化の死角新進気鋭の中国人研究者による、斬新な日本文化論。四川省出身の著者・彭丹氏は、四川大学で日本文学を学び、中国西南航空公司勤務を経て日本留学。中国の航空会社に勤務した後、日本に留学。現在は法政大学講師。来日以来、疑問に思ってきたことは、中国では廃れた文化が日本に残っていることだった。それを最も意識したのが、茶の湯の茶道具であった。茶の湯で珍重される茶碗のほとんどが唐物(中国製)で、しかも国宝茶碗もほとんどが唐物である。日本の国宝であるはずなのに。しかも不思議なことには、産地・中国にはそれらの茶碗は何ひとつ残っていないのだ。なぜ日本の茶人は唐物を珍重したのか。なぜそれらが中国に残っていないのか。そこに見え隠れする、「借用」と「創造」という、日本文化の本質。それを解きあかしていくのが、本書である。日本人だからこそ気づかない、日本文化に潜む中国文化の影。中国人の視点から、茶の湯、そして国宝という、日本文化の美意識の聖域に踏み込んだ、まったく新しい比較文化論の誕生である。