サッカーと人種差別
文春新書 987
出版社名 | 文藝春秋 |
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出版年月 | 2014年7月 |
ISBNコード |
978-4-16-660987-1
(4-16-660987-4) |
税込価格 | 825円 |
頁数・縦 | 228P 18cm |
商品内容
要旨 |
ここ20年、サッカーの本場ヨーロッパでは、どのような人種差別事件が起きてきたのか?サッカーは差別といかに闘ってきたのか?差別を受けた選手の足跡、差別と闘う団体の活動などを追いかけ、スタジアムと私たちの社会から差別をなくすためにはどうすればいいのかを考える。 |
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目次 |
第1章 人種差別、その事件簿(エマニュエル・オリサデベの記憶(2000年) |
出版社・メーカーコメント
2014年3月8日、埼玉スタジアムで開催された浦和レッズ対サガン鳥栖戦において、浦和サポーターによって「JAPANESE ONLY」という差別的横断幕が掲げられた。Jリーグはこれに対して厳しく臨み、Jリーグ初の無観客試合という制裁を下した。人種差別的かつ外国人嫌悪(ゼノフォビア)に基づくメッセージがスタジアムにも現れたことを受けて、サッカーをこよなく愛する文芸評論家・陣野俊史氏が緊急に書き下ろしたのが本書です。内容は二つの柱からなっています。一つ目は、スタジアムでこれまでどのような人種差別事件があったのか。二つ目は、選手、クラブ、観客などサッカー界は差別とどのように闘ってきたのか。本書は、この二つの内容を時間的には世界的な選手の移動を加速した1995年のボスマン裁定以後の20年、空間的にはサッカーの本場・ヨーロッパにしぼって詳述しています。そこから浮かび上がるのは、アフリカ、アジアなどからの移民を受け入れてきたヨーロッパでは、今もなお、人種差別的な事件が起こり、それとの闘いも粘り強く続けられていることです。多くの事件とその背景が選手の肉声などによって、具体的に明かされていきます。人種差別的な言動を受けた選手たちのいたたまれない思い、尊厳を毀損された痛み、反撃できないもどかしさなども、身に迫ってくるはずです。スタジアムで起きることは社会でも起きている、と著者は繰り返し書きます。日本でも排外主義的な空気が高まるなか、差別を自分たちの問題として考えるための必読のテキストです。