書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
1999年度直木賞受賞作。一家四人惨殺事件の謎に、本格のドキュメタリーチックに迫ってゆく。本作品は、いわゆる犯人探しを楽しむ内容ではない。犯人は中盤明らかにされ、少し拍子抜けする感じもないではないが、何よりの読みどころは、事件に関わった人々の深い描写にある。本作の基調ともいえる淡々と続く記述を通じて、まるで実際の事件と錯覚するようなリアルさで、事件の全貌が明かされる。読者は本作品の中で、事件のすべて腹におさめることができ、その満足感は文庫本一巻きの値段で、フルコースのフランス料理を味わう機会に恵まれたときに匹敵するであろう。(のり)
(2005年11月3日)
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商品内容
要旨 |
事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではなかった…。ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作。 |
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