• 本

放蕩記

集英社文庫 む5−32

出版社名 集英社
出版年月 2014年11月
ISBNコード 978-4-08-745245-7
4-08-745245-X
税込価格 810円
頁数・縦 519P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • ある母娘が辿った軌跡

    《幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである。》(「アンナ・カレーニナ」木村浩/訳)というのはロシアの文豪トルストイの名作の冒頭の一節ですが、《幸福》や《不幸》という一語で片付けられるほど家庭って単純(意外と単純なのかもと思うことも多々ありますが……)なものなのかな、と密かに反発心(この一文に対しての話ですよ)を抱いていました。一目見て《不幸》な家庭というのはもちろん大変だと思いますが、一見すると《幸福》な(ように見える)家庭、あるいは《平凡》な(ように見える)家庭というのもそれぞれ大変なことを抱えているはずです。目に見えぬ小さな亀裂は気付かぬうちに広がり、気付いたときには修復不能になっているかもしれません。《不幸》は《幸福》に変わる可能性を常に秘め、そして《幸福》は《不幸》に変わる可能性を常に秘めている。そんな当たり前だが忘れてしまいがちになることを思い出させてくれるのが、本書です。
    『放蕩記』を乱暴に一言でまとめる(ということに意味があるのかどうかは分かりませんが……)としたら、母と娘の確執を描いた物語です。ただこの

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    (2016年6月18日)

商品内容

要旨

厳しい母親を恐れながらも、幼い頃は誇りに思っていた。いつからだろう、母を愛せなくなってしまったのは―。小説家の夏帆は、母親への畏怖と反発を抱えながら生きてきた。反抗の果ての密かな放蕩、結婚と離婚。38歳になりあらためて母娘関係と向き合う夏帆に訪れた、衝撃の真実とは。愛と憎、最も近い女同士の、逃れられないつながり。母を持つすべての人に贈る、共感と感動の自伝的小説。

出版社・メーカーコメント

愛したいのに愛せない――38歳、小説家の夏帆は、母親への畏怖と反発から逃れられずに生きてきた。大人になり母との関係を見つめ直すうち、衝撃の真実が……。共感と感動の自伝的小説。(解説/島本理生)

著者紹介

村山 由佳 (ムラヤマ ユカ)  
1964年7月東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て、93年『天使の卵―エンジェルス・エッグ』で第6回小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で第22回柴田錬三郎賞、第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)