• 本

日米安保と事前協議制度 「対等性」の維持装置

出版社名 吉川弘文館
出版年月 2015年3月
ISBNコード 978-4-642-03843-0
4-642-03843-4
税込価格 7,700円
頁数・縦 284,5P 22cm

商品内容

要旨

日米安保条約改定時に成立した事前協議制度。核持ち込みや軍事行動の際、日本の発言権確保のため設けられたが、発動されることなく相互依存を深める装置となっていく。制度の全体像に迫り、日米安保の秘めた側面を暴く。

目次

序章 事前協議制度とは何か―適用除外事項とその意味(「非対称」な協力関係
対等性の担保としての事前協議
秘密の「討論記録」 ほか)
第1章 事前協議制度の背景(安保条約の成立
事前協議の争点化
米国と事前協議)
第2章 安保改定と事前協議制度(日米対等を目指して
事前協議制度のジレンマ
条約区域をめぐる交渉 ほか)
第3章 「あいまい合意」の形成―核搭載艦船の寄港をめぐって(日米「パートナーシップ」の深層で
「討論記録」の解釈をめぐって
「非核」の選択 ほか)
第4章 沖縄返還と事前協議―制度「有効化」をめぐる交渉(施政権変換の背景
変換条件の模索
日米の交渉戦略と基地態様 ほか)
第5章 事前協議回避の制度化(危機下の日米安保と事前協議
空母母港化と事前協議
棒路騒動をめぐって ほか)
終章 事前協議制度の役割(新冷戦と日米役割補完の深化
安保再定義と新ガイドライン
事前協議制度が果たした役割
幻想の維持装置として)

出版社
商品紹介

日米安保条約改定時に成立した事前協議制度。発動されず相互依存を深めていった制度の全体像に迫り、日米安保の秘めた側面を暴く。

おすすめコメント

一九六〇年、日米安全保障条約の改定と同時に成立した事前協議制度は、米軍による核兵器の持ち込みや軍事行動の際、日本の発言権を確保するために設けられた。しかし、対等性を担保するはずのこの制度は、実際には一度も発動されずに、両国の相互依存を深める装置となっていく。制度の全体像に迫り、日米安保の秘められた側面を暴き出す問題作。

著者紹介

豊田 祐基子 (トヨダ ユキコ)  
1972年東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒。1996年共同通信社入社。社会部で防衛庁、憲法取材班、日本人拉致問題、経済部で日本銀行を担当。シンガポール支局長を経て現職。2006年9月から一年間、米ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院、エドウィン・ライシャワー東アジア研究所客員研究員。2014年3月早稲田大学大学院公共経営研究科後期博士課程修了、博士号(公共経営)取得。現在、共同通信社外信部記者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)