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平和憲法の深層

ちくま新書 1122

出版社名 筑摩書房
出版年月 2015年4月
ISBNコード 978-4-480-06827-9
4-480-06827-9
税込価格 946円
頁数・縦 269P 18cm

商品内容

要旨

改憲・護憲の谷間で、憲法第九条の基本的な文献である議事録は、驚くべきことにこの七〇年間ほとんど紹介されてこなかった。「戦争の放棄」と「平和憲法」は、直接には関係がないし、それをつくったのは、マッカーサーでも幣原首相でもなかった。その単純でない経過を初めて解き明かす。また「憲法はGHQの押し付け」と言われるが実際はどうだったか。「日本は平和国家」といつから言われてきたのか。「敗戦」を「終戦」に、「占領軍」を「進駐軍」と言い換えたのは誰が何のためだったか…などについて、日本国憲法誕生の経過を再現し、今日に至る根本的重大問題を再検討する。

目次

第1章 平和憲法を見直す(三つの憲法の外見
三つの憲法と人権規定
内側から見た三つの憲法)
第2章 憲法九条の深層(発案者は誰か、それはなんのためか
GHQのタイムリミット
「戦争の放棄」から「平和主義」へ
天皇制・沖縄そして九条
「芦田修正」とはなんだったのか)
第3章 知られざる「平和憲法」(戦後憲法への模索
東京帝国大学憲法研究委員会の発足)
第4章 憲法研究会案の意義(浮かび上がった地下水脈
憲法研究会案の誕生
GHQの研究会案への評価
鈴木安蔵の政府草案への評価と批判
憲法研究会案は、なぜ陰に追いやられてきたのか)
第5章 深層から見えてきた「平和」(「平和」に飢えていた頃
「押し付け」の実像
戦争と平和の間で
七〇年目を迎える「平和憲法」)

おすすめコメント

日本国憲法制定の知られざる内幕。そもそも平和憲法は押し付けだったのか。天皇制、沖縄、安全保障……その背後の政治的思惑、軍事戦略、憲法学者の主導権争い。

著者紹介

古関 彰一 (コセキ ショウイチ)  
1943年東京都江戸川区生まれ。早稲田大学法学部・同大学院修士課程修了。獨協大学法学部教授を経て、同名誉教授。この間、ボストン・カレッジ・ロースクール、カナダ・ビクトリア大学太平洋・アジア学部客員研究員。憲法制定過程、占領政策、日米安保条約の成立過程の研究などを経て安全保障研究を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)