数学の大統一に挑む
出版社名 | 文藝春秋 |
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出版年月 | 2015年7月 |
ISBNコード |
978-4-16-390280-7
(4-16-390280-5) |
税込価格 | 2,420円 |
頁数・縦 | 484P 20cm |
商品内容
要旨 |
憧れのモスクワ大学の力学数学部の試験に全問正解したにもかかわらず父親がユダヤ人であるために不合格。それでも少年は諦めず、数学を学び続けた。「ブレイド群」「リーマン面」「ガロア群」「カッツ・ムーディー代数」「層」「圏」…、まったく違ってみえる様々な数学の領域。しかし、そこには不思議なつながりがあった。やがて少年は数学者として、異なる数学の領域に架け橋をかける「ラングランズ・プログラム」に参加。それを量子物理学にまで拡張することに挑戦する。ソ連に生まれた数学者の自伝がそのまま、数学の壮大なプロジェクトを叙述する。 |
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目次 |
はじめに 隠されたつながりを探して |
出版社 商品紹介 |
まったく異なる数学のある命題を証明することが、別の数学のある問題を解くことになる。旧ソ連から出た天才数学者がやさしく書く。 |
おすすめコメント
xのn乗 + yのn乗 = zのn乗 上の方程式でnが3以上の自然数の場合、これを満たす解はない。私はこれについての真に驚くべき証明を知っているが、ここには余白が少なすぎて記せない。17世紀の学者フェルマーが書き残したこの一見簡単そうな「フェルマーの予想」を証明するために360年にわたって様々な数学者が苦悩した。360年後にイギリスのワイルズがこれを証明するが、その証明の方法は、谷村・志村予想というまったく別の数学の予想を証明すれば、フェルマーの最終定理を証明することになるというものだった。私たちのなじみの深いいわゆる方程式や幾何学とはまったく別の数学が数学の世界にはあり、それは、「ブレード群」「調和解析」「ガロア群」「リーマン面」「量子物理学」などそれぞれ別の体系を樹立している。しかし、「モジュラー」という奇妙な数学の一予想を証明することが、「フェルマーの予想」を証明することになるように、異なる数学の間の架け橋を見つけようとする一群の数学者がいた。それがフランスの数学者によって始められたラングランス・プログラムである。この本は、80年代から今日まで、このラングランス・プログラムをひっぱってきたロシア生まれの数学者が、その美しい数学の架け橋を、とびきり魅力的な語り口で自分の人生の物語と重ね合わせながら、書いたノンフィクションである。