君死に給ふことなかれ 神風特攻龍虎隊
出版社名 | 幻冬舎 |
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出版年月 | 2015年7月 |
ISBNコード |
978-4-344-02789-3
(4-344-02789-2) |
税込価格 | 1,760円 |
頁数・縦 | 283P 20cm |
商品内容
要旨 |
苦肉の策か、狂気の沙汰か。太平洋戦争終戦間際、20歳に満たない若年兵が乗る布張りの練習用飛行機に250キロ爆弾を抱かせ、敵艦に体当たりさせる特攻作戦が行われた。その特攻隊員と思しきM・Kから手紙を受け取った深田隆平は、戦後、その消息を尋ねる旅に出る。自らも空襲で許嫁を亡くすという辛い過去をもつ隆平が、やがて辿り着いたM・Kの素性。その素顔とは…。著者自らの実体験をもとに綴る奇跡の邂逅譚。 |
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目次 |
エメラルドの海 |
おすすめコメント
太平洋戦争末期、形勢不利の日本軍はなりふり構わぬ常軌を逸した作戦に打って出る。「菊水作戦」。世に言う特攻作戦である。これにより海軍機は940機、陸軍機は887機が特攻を実施し、3000名を超える若い兵士が海の藻屑と消えた。その作戦に並行し、終戦間際には「赤トンボ」と呼ばれた練習機までもが特攻作戦に徴用されたことは、あまり知られていない――。僕が修理した練習用飛行機で、彼は敵艦に体当たりした……飛行機好きの少年・深田隆平は念願叶って飛行機製作会社に奉職する。しかし戦況の悪化に伴う原材料不足で新しい飛行機を造ることは叶わず、もっぱら「赤トンボ」と呼ばれる練習機の修理に明け暮れた。ある日、自身も軍隊に召集されることになった龍平は、最後に修理した赤トンボの操縦室計器盤の下へ密かに自身の思いを刻みこんだ。「栄光ノ赤トンボニ祝福ヲ。武運長久ヲ祈リツツ本機ヲ誠心整備ス。羽田工場技師補・深田隆平」そんな彼のもとに見ず知らずの兵士から手紙が届く。「間もなく特攻出撃します。深田さんが誠心整備された栄光の赤トンボで行きます。かなわぬまでもやれるだけのことはやってまいります。貴方の未来に祝福を。その未来のなかに俺の時間も少しばかり入れてください」みずから整備した練習機が特攻作戦に駆り出されることに衝撃を受けた龍平。しかも乗り手は同年代の若者に違いない。手紙にはM・Kとイニシャルだけが添えられていたあれから70年の歳月が流れ、M・K氏を尋ねる旅に出た龍平。遠く宮古島で、ついに探り当てたM・K氏の素顔とは……? 布張りの練習機で特攻作戦に臨む少年兵から主人公に届いた一通の手紙。「間もなく、あなたが誠心整備された飛行機で出撃します……M・K」M・Kとはいったい誰なのか? 彼が自分に託した想いとは何だったのか?戦後70年を迎える今年、主人公がついに辿り着いた最後の特攻の真実。愛と平和を願う奇跡の物語。