フロイトとアンナ・O 最初の精神分析は失敗したのか
出版社名 | みすず書房 |
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出版年月 | 2015年10月 |
ISBNコード |
978-4-622-07938-5
(4-622-07938-0) |
税込価格 | 6,050円 |
頁数・縦 | 220,35P 22cm |
商品内容
要旨 |
『ヒステリー研究』において提示された症例アンナ・Oの治療は本当に失敗だったのか?数々の治療記録、関係者の書簡など膨大な資料を検証し、精神分析学の礎となった症例の真実を解き明かす。 |
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目次 |
緒論 アンナ・O症例の来歴 |
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「治療中断の一年後、ブロイアーはフロイトに、彼女はすっかり錯乱している、彼女は死んだほうがよいのではないか、そうすれば苦しみから解放されるのにとさえ思う、と打ち明けた」 ヨーゼフ・ブロイアーとジークムント・フロイトの『ヒステリー研究』(1895)において提示された「症例アンナ・O」。この症例は、のちにアーネスト・ジョーンズによって書かれたフロイトの伝記が発表されて以来、「『ヒステリー研究』の記述にあるような輝かしい成功ではなく、治療は失敗だった」と見なされるようになった。ジョーンズによれば、アンナはブロイアーによる治療ののち、重篤なモルヒネ依存に苦しみ、毎日幻覚状態に陥っていたという。そしてこの事実は後年、治療後のアンナの足取りを追った医学史家アンリ・エランベルジェの研究によって追認されることとなるのである。はたして、症例アンナ・Oの治療は本当に失敗だったのか? 本書は、『ヒステリー研究』の治療記録、アンナの入院先の医師による記録、関係者の書簡、追跡研究などの膨大な資料を掘りおこし、その治療結果の真実に迫るものである。精神分析学の始まりとなった症例の謎が、いま解き明かされる。