• 本

鬼降る森

小学館文庫 た30−2

出版社名 小学館
出版年月 2016年1月
ISBNコード 978-4-09-406251-9
4-09-406251-3
税込価格 682円
頁数・縦 313P 15cm

商品内容

要旨

「この歓びと放心はなんだろう。胸の痛みはなんだろう。生まれ育った土地をめぐって、ケリをつけなければならないことがあった」。宮崎県高千穂。山頭火が「分け入っても分け入っても青い山」と詠んだ著者の生まれ故郷は、川端康成をして「山川不老」と書かしめた、山高く谷深い里だ。「高千穂はどこにある」。祖母がもらした言葉に導かれて、故郷をめぐる旅と探索がはじまる。自身が生を受けた「高千穂」とは?そこは、神と鬼の伝説が共存する、混沌と矛盾の里であった。大宅賞作家が、愛も憎しみをも超越した感情で書き尽くした、渾身の風土記。

目次

序章 神と鬼と
第1章 祖母の声
第2章 草の海
第3章 だれが王か
第4章 高千穂残酷物語
第5章 祭り子の夏
第6章 精霊たち
第7章 騒動の果て
終章 音の谷

おすすめコメント

故郷は、神と鬼の伝説が共存する里だった。「この歓びと放心はなんだろう。胸の痛みはなんだろう。生まれ育った土地をめぐって、ケリをつけなければならないことがあった」。宮崎県高千穂。山頭火が「分け入っても分け入っても青い山」と詠んだ、著者の生まれ故郷である。川端康成をして「山川不老」と書かしめた、山高く谷深い里だ。「高千穂はどこにある」。そこにいるはずなのに、呆けた祖母がふともらした言葉がきかっけだった。道路が整備され、高千穂峡には巨大な橋が架けられ、国見ヶ丘には、巨大な神様の像が建っている今ではなく、「祖母が見ていた高千穂に行ってみたい」と思った著者が、故郷をめぐる。そこは、「天孫降臨」の神話と「鬼八」伝説が共存する、混沌と矛盾の里だった。大宅賞作家が、愛も憎しみも超越した感情で書き尽くした、渾身の風土記。多くの書評に取り上げられた名著、ついに文庫化。【編集担当からのおすすめ情報】 3月にNHK「新日本風土記」で取り上げられる予定です。

著者紹介

高山 文彦 (タカヤマ フミヒコ)  
1958年宮崎県高千穂町生まれ。99年、『火花 北条民雄の生涯』で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)