商品内容
要旨 |
「この歓びと放心はなんだろう。胸の痛みはなんだろう。生まれ育った土地をめぐって、ケリをつけなければならないことがあった」。宮崎県高千穂。山頭火が「分け入っても分け入っても青い山」と詠んだ著者の生まれ故郷は、川端康成をして「山川不老」と書かしめた、山高く谷深い里だ。「高千穂はどこにある」。祖母がもらした言葉に導かれて、故郷をめぐる旅と探索がはじまる。自身が生を受けた「高千穂」とは?そこは、神と鬼の伝説が共存する、混沌と矛盾の里であった。大宅賞作家が、愛も憎しみをも超越した感情で書き尽くした、渾身の風土記。 |
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目次 |
序章 神と鬼と |
おすすめコメント
故郷は、神と鬼の伝説が共存する里だった。「この歓びと放心はなんだろう。胸の痛みはなんだろう。生まれ育った土地をめぐって、ケリをつけなければならないことがあった」。宮崎県高千穂。山頭火が「分け入っても分け入っても青い山」と詠んだ、著者の生まれ故郷である。川端康成をして「山川不老」と書かしめた、山高く谷深い里だ。「高千穂はどこにある」。そこにいるはずなのに、呆けた祖母がふともらした言葉がきかっけだった。道路が整備され、高千穂峡には巨大な橋が架けられ、国見ヶ丘には、巨大な神様の像が建っている今ではなく、「祖母が見ていた高千穂に行ってみたい」と思った著者が、故郷をめぐる。そこは、「天孫降臨」の神話と「鬼八」伝説が共存する、混沌と矛盾の里だった。大宅賞作家が、愛も憎しみも超越した感情で書き尽くした、渾身の風土記。多くの書評に取り上げられた名著、ついに文庫化。【編集担当からのおすすめ情報】 3月にNHK「新日本風土記」で取り上げられる予定です。