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はじめての認知科学

「認知科学のススメ」シリーズ 1

出版社名 新曜社
出版年月 2016年2月
ISBNコード 978-4-7885-1458-4
4-7885-1458-3
税込価格 1,980円
頁数・縦 161P 19cm

商品内容

要旨

判断する/決定する/話す/感情を動かされる…こころの豊かな働きを内側から解明する認知科学。複雑な認知の世界を解きほぐして語る、高校生から読める本格入門シリーズ誕生。

目次

序章 ヒトはどんなふうにものを考えるか?
1章 出発点―こころを問うひとびと
2章 こころをわかるために―記号、表象、計算、意味、理解
3章 こころと身体と言語
4章 動物らしさvs.ヒトらしさ
5章 認知科学のここまで、そしてこれから

おすすめコメント

◆「認知科学のススメ」シリーズの刊行開始!   人間や動物は、どのように外界の情報を処理し、適切に反応しているのでしょうか?認知科学は、このような関心から。動物も含めた人間の知能や、人工知能システムなどの知的システムの性質や処理メカニズムを理解しようとする学問です。人間や動物のさまざまな現象にかかわるため、認知科学は、心理学、進化学、情報科学(とくに人工知能)、ロボティクス、言語学、文化人類学、神経科学・脳科学、身体運動科学、哲学などの幅広い分野の研究者が集まって作られました。そのため認知科学は、これらの諸分野を横断する学際的な学問分野となっていて、数学、物理、歴史などの伝統的な分野と比べて、体系化することは容易ではありません。そのためもあってか、私たち自身について知るための基本的な学問であるにもかかわらず、これまで中学校や高校の教育の中で教えられることはありませんでした。しかし学問の存在を知らなければ、その道へ進もうと志す人もなかなか現れません。  第1巻では、認知科学の基本や多彩な取り組み全体をクイズやコラムを交えて紹介します。

内容抜粋

はじめての認知科学 まえがき   ヒトのこころとは何でしょうか。こころ,精神,胸の内,英語で言えばマインド(mind),ハート(heart),スピリット(spirit)……いろいろないい方があります。自分のことを振り返ってみても,こころというのはとても気になるのになかなか捕まえにくい存在です。  自分で自分のこころのことを考えてみましょう,感じてみましょう。 テレビドラマを見て感動したり,明日のデートの計画を立てたり,幼いころを思い出したり,数学の問題を一所懸命考えて解き方がわかって興奮したり……。  こころの中身は次々に移り変わります。そこから,こころがいろいろな働きを持っていることに気がつきます。  ちょっとまわりを見渡してみましょう。  考えているこころを持っているのは,自分だけではなさそうですね。  私があなたに話しかけます。私のこころの中にある思いを語ります。 あなたはそれを聞き,私のこころの中身を思いやりながら,あるときは「そうだね」と言いながらうなづき,またあるときは「ちがうよ,それ」と首を横にふります。私のこころのはたらきは,あなたのこころのはたらきに何かを与えたようです。  でも,あなたのこころの中を私は見ることはできません。「こう思っているのかな」と考えることはできても見ることはできないのです。私のこころの中だって,私自身でさえはっきりこうだとわかるわけではありません。  こころの働きとは何でしょうか? 人間のこころの働きは,だれでも同じなのでしょうか? それとも,みんな顔が少しずつ違うように,こころの働きにも違いがあるのでしょうか。こころの働きをだれでもわかるように,わかりやすく説明することはできないでしょうか。  それが,こころの科学,認知科学のめざすところです。  この本は,日本認知科学会出版委員会の認知科学者5 人,今井むつみ(慶應義塾大学),植田一博(東京大学),川合伸幸(名古屋大学),嶋田総太郎(明治大学),橋田浩一(東京大学)と私,科学ジャーナリストである内村直之を合わせた6 人が議論や対談を重ねて作り上げたものです。

著者紹介

内村 直之 (ウチムラ ナオユキ)  
科学ジャーナリスト。1952年東京都生まれ。81年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程満期退学。物性理論(半導体二次元電子系の理論)専攻。同年、朝日新聞入社。同社福井、浦和支局を経て、東京・大阪科学部、西部本社社会部、『科学朝日』、『朝日パソコン』、『メディカル朝日』などで科学記者、編集者として勤務した後、2012年4月からフリーランスの科学ジャーナリスト。新聞記事、雑誌記事など多数。12年から慶応義塾大学で「ライティング技法ワークショップ」、13年から法政大学で「社会と科学」の講義を担当、14年から北海道大学CoSTEPで客員教授としてライティングなどを指導
植田 一博 (ウエダ カズヒロ)  
東京大学大学院総合文化研究科教授。当初経済学部に入学しますが、その後理系に転じ、1988年東京大学教養学部基礎科学科第二卒。93年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)取得。東京大学大学院総合文化研究科助手、助教授、准教授を経て2010年情報学環教授、13年総合文化研究科教授。創造性研究、熟達化研究、日本伝統芸能の技の分析、行動経済学、アニマシー知覚研究、錯覚研究などに従事
今井 むつみ (イマイ ムツミ)  
慶應義塾大学環境情報学部教授。東京都出身。1989年慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。94年米ノースウェスタン大学心理学部大学院博士課程ph.D.取得。93年慶應義塾大学環境情報学部に助手として赴任、専任講師、同助教授を経て2006年から現職。専門は認知科学、特に言語認知発達、言語心理学、問題解決過程
川合 伸幸 (カワイ ノブユキ)  
名古屋大学大学院情報科学研究科准教授。1990年関西学院大学文学部卒、95年同大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学、98年博士(心理学)取得。99年京都大学霊長類研究所講師、2001年名古屋大学大学院人間情報学研究科助手、助教授を経て07年から現職
嶋田 総太郎 (シマダ ソウタロウ)  
明治大学理工学部教授。2001年慶應義塾大学大学院理工学研究科計算機科学専攻博士課程修了。博士(工学)取得。06年明治大学理工学部専任講師、同准教授を経て15年から現職。専門は認知科学、脳科学、脳機能イメージング、人工知能。特に社会性・身体性の脳メカニズム、メディア認知、ミラーシステム、自己身体認識、ブレインマシン・インタフェースが研究テーマ
橋田 浩一 (ハシダ コウイチ)  
東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)