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下流中年 一億総貧困化の行方

SB新書 340

出版社名 SBクリエイティブ
出版年月 2016年4月
ISBNコード 978-4-7973-8657-8
4-7973-8657-6
税込価格 880円
頁数・縦 237P 18cm

商品内容

要旨

「下流老人」が話題になる昨今だが、実は高齢者の貧困率はここ数年改善されてきている。むしろ現役世代の貧困率が悪化してきており、それは「中年フリーター」など不本意にも「非正規」を続けざるを得なかった就職氷河期世代の受難をも示している。景気が悪化したらクビという不安定な雇用状況でも何とかしのいできたロスジェネ世代。「生きづらさ」を抱えた彼らは今後どこへ向かえばいいのか?

目次

第1章 『「生きづらさ」について』から8年、生きづらさはどう変わったか―対談 雨宮処凛×萱野稔人(「8年」の重さ
「加齢との闘い」が始まった ほか)
第2章 我々はいかにして「下流中年」にさせられているのか(誰もが「下流」に落ちる未来へ
いかにして企業は昭和以降の「神」となったか ほか)
第3章 それでも、「下流転落」に脅えることなかれ(「下流老人」の問題は実は改善されてきている
正規と非正規の分断が起きている ほか)
第4章 ルポ・下流中年 12人のリアル(社会的撤退を強いられてきた人々
派遣歴足掛け15年で味わった苦しさ 明美さん ほか)

おすすめコメント

◆介護離職、早期退職、引きこもり、ワーキングプア……他人ごとではない中年のリアルな危機! ◆巻頭対談:雨宮処凛氏×萱野稔人氏 「生きづらさ」についてから8年、「生きづらさ」はどう変わったか ◆「ロスト・ジェネレーション」はどこに行ったのか? 団塊ジュニア世代(71年〜74年生まれを中心に前後数年の間に生まれた世代)は、就職氷河期と重なり、「ロスト・ジェネレーション」と呼ばれたが、彼らは今や40歳を超える中年となった。「中年フリーター:氷河期の非正社員ら、歯止めかからず273万人に」というニュースが流れたが、まさに彼らが非正規労働を続けざるを得ず、新たな問題となっている。◆人は、どのようにして社会のレールから転落するのか。また、這い上がるためのスキルとは、どのようなものなのか ◆いまは社会に関わりを持てている働き盛りの中年世代であっても、突然、転落するかもしれないリスクは誰もが持っている。それどころか、真面目で、他人の痛みを理解できる優しい人ほど社会のレールから外れやすく、抜けられなくなることが多い。1日に10時間以上働いても、月に10万円余りにしかならない実態にあえいでいる働き盛りの世代も多い。職場で苦しみ孤立する人がいても、かつての会社が家族のように守ってくれた終身雇用の時代と違い、激しい商品開発競争の中で、上司も同僚も自分のノルマに追われる。職場で我慢していても支援などの相談窓口へ行っても、気合論や精神論ばかり説かれて、「しんどい」などと弱音を見せると、精神科への受診を勧められる。若年者や高齢者と違って、働き盛りとみなされる中高年世代には、セーフティーネットがほとんど用意されていないことも、こうした地獄からいつまでも抜けられなくなる要因にもなっている。◆「敗者復活を許さない日本社会のほうが病んでいるのでは…」 ある読者は、そう筆者に訴えた。先行きの見えない未来。生活は困窮し、貧困問題にも直結している。ギリギリのところで生活を強いられる現実に、真剣に向き合おうとすればするほど、傷つき疲れていく。そんな不安を抱えながらレールにしがみついている存在を、社会が大量につくりだしているといえる。私たちは今後、こうした社会にどう向き合っていけばいいのか。

著者紹介

雨宮 処凛 (アマミヤ カリン)  
1975年北海道生まれ。作家・活動家。00年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』でデビュー。以来、「生きづらさ」についての著作を発表する。06年からは、格差や貧困問題に取り組み、取材、執筆、運動中。『生きさせろ!難民化する若者たち』(ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞
萱野 稔人 (カヤノ トシヒト)  
1970年愛知県生まれ。哲学者、津田塾大学教授。専門は哲学、社会理論。パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。博士(哲学)
赤木 智弘 (アカギ トモヒロ)  
1975年栃木県生まれ。フリーライター。2007年に月刊誌「論座」に発表した「『丸山眞男』をひっぱたきたい―31歳、フリーター。希望は戦争。」で注目を集める
阿部 彩 (アベ アヤ)  
マサチューセッツ工科大学卒業。タフツ大学フレッシャー法律外交大学院修士号・博士号取得。国立社会保障・人口問題研究所にて室長、部長として15年勤務ののち、現在、首都大学東京都市教養学部教授
池上 正樹 (イケガミ マサキ)  
大学卒業後、通信社勤務を経て、フリーのジャーナリスト。日本文藝家協会会員。東日本大震災後、被災地に入り「ひきこもりと震災」について調査。ひきこもり当事者活動や家族会などもサポートする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)