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モンゴル帝国と長いその後

講談社学術文庫 2352 興亡の世界史

出版社名 講談社
出版年月 2016年4月
ISBNコード 978-4-06-292352-1
4-06-292352-1
税込価格 1,408円
頁数・縦 365P 15cm

商品内容

要旨

チンギス・カンが創始し、ユーラシアをゆるやかに統合した「大モンゴル国」。その権威と統治システムは、帝国解体後も各地に息づいていた。ロシアのイヴァン雷帝、ティムール帝国とムガル帝国、そして大清帝国。初めて「世界史」と「世界地図」を生み出し、人類史の画期となった「モンゴル時代」の現代にいたる長い影を追う。空前の帝国が常識を覆す!

目次

序章 なんのために歴史はあるのか
第1章 滔滔たるユーラシア国家の伝統
第2章 モンゴルは世界と世界史をどう見たか
第3章 大モンゴルとジャハーン・グシャー
第4章 モンゴルとロシア
第5章 モンゴルと中東
第6章 地中海・ヨーロッパ、そしてむすばれる東西
第7章 「婿どの」たちのユーラシア
終章 アフガニスタンからの眺望

おすすめコメント

講談社創業100周年記念企画として刊行された全集「興亡の世界史」の学術文庫版第一期のうちの第3冊目。13世紀初頭にチンギス・カンが興した「大モンゴル国」は、5代・クビライの頃にはユーラシア全域をゆるやかに統合して、東西の大交流をもたらした。この大帝国は、従来は「元朝」と呼ばれ、中国史やアジア史の枠でのみ語られがちだったが、近年は、この大帝国の時代――すなわち「モンゴル時代」を、世界史の重大な画期とみなす考え方が、「日本発信の世界史像」として、内外に広まりつつある。人類の歴史は、「モンゴル時代」の以前と以後でまったく様相が異なるという。そして、大モンゴル国すなわち「モンゴル帝国」の解体後も、「モンゴルの残影」は20世紀にいたるまで各地に息づいていた。ロシアのイヴァン雷帝も、後のムガル帝国へと続くティムール帝国も、また、大清帝国も、「チンギス家の婿どの」の地位を得ることで、その権威と権力を固めてきたのだ。そして今なお混迷のなかにあるアフガニスタンを、「遊牧民とユーラシア国家」の歴史を通してみると、何が見えてくるのか? 壮大な歴史観と筆力で多くのファンを持つ著者が、新たな世界史の地平を描き出す。[原本:『興亡の世界史 第09巻 モンゴル帝国と長いその後』講談社 2008年2月刊]

著者紹介

杉山 正明 (スギヤマ マサアキ)  
1952年、静岡県生まれ。京都大学大学院文学研究科教授。1995年に『クビライの挑戦』でサントリー学芸賞、2003年に司馬遼太郎賞、2007年に『モンゴル帝国と大元ウルス』で日本学士院賞を受賞。2006年に紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)