書店レビュー
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
精神病院で生きる人々の群像ドラマである。様々な出来事を通じ、患者の様子が描 かれるが、読んでいると彼らはとても純粋でまっとうな心の持ち主であることを知り、愕然とするに違いない。わざとらしい同情もなく淡々とした記述は、まさに患者の目線で病院の内部を正直に伝えるもので、本作に重みを与えている。患者であるまえに、一人の独立した人間でありたいと願う人々の気持ちが痛切に感じられて切ない一冊である。(nori)
(2005年12月22日)
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出版社・メーカーコメント
とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった……。彼を犯行へと駆り立てたものは何か? その理由を知る者たちは――。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。