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遺伝子組み換えのねじ曲げられた真実 私たちはどのように騙されてきたのか?

出版社名 日経BP社
出版年月 2016年6月
ISBNコード 978-4-8222-5145-1
4-8222-5145-4
税込価格 3,520円
頁数・縦 758P 19cm

商品内容

要旨

多くの著名な生物学者や学術団体が、遺伝子組み換え食品を世に出すためリスクを隠蔽し、真実をゆがめてきた。本書はこの手の込んだ詐欺がどのように行われ、一般国民だけでなく、ビル・クリントンやビル・ゲイツ、バラク・オバマ、その他の明敏で影響力の大きい人物までが騙されたのかを克明に描く。

目次

科学の政治化―そして幻想の制度化
膨張するバイオテクノロジー産業の野望―強まった政治性
惨事の隠蔽工作―遺伝子組み換え食品による致死的中毒はどう覆い隠されてきたか
遺伝子、巧妙さ、不誠実さ―生命のソフトウエアを書き直し、事実も書き直す
不法エントリー―遺伝子組み換え食品の販売認可を強引に進めた米国政府の詐欺
グローバル化する異常な規制―カナダ、EUなどでも無視された科学と健全な政策
環境保護の崩壊―多重のリスク、最低レベルの警戒
米国メディアの機能不全―隠蔽と不正の従順な共犯者
リスクについての体系的な嘘―見過ごし、異常、怠慢
収穫された不安なデータ―GMOの研究は、どのようにして安全性の証明に失敗し、代わりに市場追放すべきとの確証を持ったのか
見過ごされたコンピューター科学の教訓―複雑な情報システムの変更がもたらす避けがたいリスク
基礎のない基礎的推定―農業生物工学を支える誤解
科学者が「情報操作のプロ」に退化―遺伝子工学の最も悪質な突然変異
新しい方向性と広がる地平線―遺伝子工学を捨て、安全かつ持続可能で賢明な農業形態へ

おすすめコメント

遺伝子組み換え食品が大きなリスクを抱えたまま 世に出たカラクリの一部始終。政府機関であるFDA(米食品医薬品局)はなぜ法を破り、なぜ科学者や政治家は国民を繰り返し欺き、人間の健康と環境に危険をもたらしてきたのか──。ビル・クリントンやビル・ゲイツ、バラク・オバマが(他の多くの明敏で影響力のある人たちと同様に)手のこんだ詐欺に引っかかったと聞けば、たいていの人は驚くことだろう。ましてや、それをしかけたのが外国の諜報機関や国際的な犯罪シンジケート、狡猾な金融マフィアの秘密結社などでなく、著名な科学者たちのネットワークだったと知れば、さらに驚きは増すに違いない。しかも、その詐欺は、気候の変動などではなく、わたしたちの食物の変化にまつわるものだった。さらに、米食品医薬品局(FDA)が主要な共犯者であり、そのごまかしのせいで、FDAの科学スタッフがかつて人間の健康に有害だと断定していた新しい食品を15年以上にわたって自分や子どもたちが摂取してきたと知れば、米国人ならショックを受けるだろう。この本には、どうしてそういう奇妙なことが起きたのかという興味津々の、ときに仰天させられる物語が書かれている。そして、わたしはその物語を伝えることができるユニークな立場にいる。なぜならその不正の重要な部分を暴露したのがわたし自身だからだ。(本書「イントロダクション」より)

著者紹介

ドルーカー,スティーブン・M. (ドルーカー,スティーブンM.)   Druker,Steven M.
公益のために活動する弁護士。ドルーカーが始めた訴訟によって、米食品医薬品局(FDA)は遺伝子組み換え食品に関するファイルを裁判所に提出せざるをえなくなった。その結果、遺伝子組み換え食品のリスクについて、FDAが内部の科学者の警告をもみ消し、真実をゆがめ、連邦法に違反してこの食品を市場に送りこんだ経緯が暴かれた。ドルーカーは、全米研究評議会(NRC)とFDAが開催した食品安全問題パネル討論会に参加したほか、多くの大学で講義し、クリントン大統領の環境評議会の作業グループとの協議にも加わった経験を持つ
守 信人 (モリ ノブヒト)  
翻訳者。2012年まで38年間、共同通信社に勤務。主に科学部で科学研究や技術開発の取材に従事し、基礎科学、原発、宇宙開発、IT技術などを担答。1992年から3年間、米ワシントンに科学全般を担当する特派員として駐在した。日本科学技術ジャーナリスト会議会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)