ぜんぶ落語の話
出版社名 | 白水社 |
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出版年月 | 2016年10月 |
ISBNコード |
978-4-560-09520-1
(4-560-09520-5) |
税込価格 | 2,640円 |
頁数・縦 | 238P 20cm |
商品内容
要旨 |
薀蓄を存分に傾けながら、通俗性を自在に語る、通ならではの高質エッセイ。 |
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目次 |
1 志ん朝前後 |
おすすめコメント
薀蓄の心地よさ 落語評論の第一人者としても知られる著者による、味わい深いエッセイ集。2004年5月から16年3月まで、読売新聞夕刊に「落語のはなし」として足かけ12年にわたり好評連載されたものを、掲載順にまとめた。落語が燦然と輝いていた時代、夏目漱石が『三四郎』で、三代目柳家小さんと「時を同じうして生きてゐる我々は大變な仕合せである」と述べたように、著者は古今亭志ん生、八代目桂文樂、三代目三遊亭金馬、三遊亭圓生、五代目柳家小さんらの一席一席を楽しむ機会に恵まれていた。その体験を基にしながら書かれたエッセイはどれも読者を唸らせる。噺家のさまざまな物語を中心に、戦争前後の落語界の変遷、演劇や俳句との関係など、落語国を重層的に織りなす内容で、気楽な雰囲気でありながら高質を保ちつつ、薀蓄とはこんなものかと読者を落語国の世界に誘ってくれる。最終章、著者の親しかった噺家への追悼を集めた一章は、著者の評論に対する姿勢を感じさせる、殊に秀逸な内容に溢れている。随所に収められた唐仁原教久による挿絵も、読書の楽しみをいや増してくれる。