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中東世界の音楽文化 うまれかわる伝統

出版社名 スタイルノート
出版年月 2016年9月
ISBNコード 978-4-7998-0154-3
4-7998-0154-6
税込価格 3,960円
頁数・縦 380P 21cm

商品内容

要旨

音楽に国境はあるか?宗教や国家を越えて、暮らしの中で生き続ける音楽のもつ力とは。中東地域の音楽事情、民族音楽学、文化人類学の最前線がわかる。

目次

1 伝統を繋ぐ―大衆音楽という公共空間(歌に読み込まれた「千夜一夜」―ウンム・クルスームのレパートリーにみる
イランにおける「ポピュラー」音楽の変遷―高尚/低俗の二項対立を超えて
ベリーダンサーは何を表現しようとしているのか?―舞踊における意味の深みへ)
2 伝統を継ぐ―共鳴する個性(サントゥール演奏の新しい身体性―「楽器盤面の地政学」へ向けて
東アラブ地域における“古典器楽”の成立―音楽家サーミー・アッシャウワーの功績)
3 伝統を紡ぐ―包摂する感性(パリで故郷の歌を聴く―モロッコ・スース地方出身の人びと
眩惑の反復―あるベルベル吟遊詩人の曲を巡って)
4 伝統を創る―民族音楽学という音楽空間(小泉文夫が伝えた中東の音楽
チュニジア「ラシディーヤ」伝統音楽研究所―歴史と現在
中東少数派の自己認識―あるシリア正教徒の音楽史観と名将問題)
資料1 国民国家の中の伝統音楽―オマーンの事例から
資料2 ラウンドテーブル

出版社・メーカーコメント

今日、イスラム文化圏に属する中東世界は人類最古の文明発祥地をかかえ、世界の音楽文化の根源と基底をかたちづくってきた。音楽文化はこの中東から人類史を通じて東西の世界に拡散していったとも言える。「西洋文明の源流は中東にある」としばしばいわれるが、本書では、その音楽文化が、中東と西洋を舞台に互いに越境しあい、縦横に行き来し、展開し、深化しつづけている実態を分析し論じている。フィールドワーカーである著者達による現地での生の音楽の体験・記録・分析が、中心となった論文集で、中東世界(諸国)の音楽文化の伝統の現状を、たんねんな現地調査・体験をとおして縦横に論じている。それぞれの論文は、民族音楽学、文化人類学の視点をふまえながら、中東世界の音楽文化を、斬新な切り口と手法で観察・体験・分析。中東世界の音楽文化の、不断にうまれかわっていく伝統の一端を、ここでは、「繋ぐ」、「継ぐ」、「紡ぐ」、「創る」という新たな4種の切り口で詳述している。論文集ではあるが、誰にでも読みやすく書かれており、特に冒頭の基礎解説と最後の座談では平易に理解できるように全体の内容が解説されており、中東世界の音楽の入門書としても十分活用できる。

著者紹介

西尾 哲夫 (ニシオ テツオ)  
人間文化研究機構国立民族学博物館教授/総合研究大学院大学文化科学研究科教授。言語人類学。最終学歴:京都大学大学院文学研究科博士課程修了。学位:博士(文学)
水野 信男 (ミズノ ノブオ)  
兵庫教育大学名誉教授。民族音楽学。最終学歴:東京藝術大学大学院音楽研究科音楽学専攻修士課程修了。学位:博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)