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イスラーム帝国のジハード

講談社学術文庫 2388 興亡の世界史

出版社名 講談社
出版年月 2016年11月
ISBNコード 978-4-06-292388-0
4-06-292388-2
税込価格 1,518円
頁数・縦 401P 15cm

商品内容

要旨

七世紀、アッラーの啓示で人間の平等と弱者救済を説いたムハンマド。迫害の中で創られたイスラーム共同体は後継者たちの大征服でアラビア半島の外に拡大。わずか一世紀でイベリア半島から中央アジアまで広大な帝国を築き、一〇世紀にはアッバース朝の黄金期へ。多民族、多人種、多文化の人々を包摂、多宗教も融和する知恵が歴史の奇跡を実現した。

目次

はじめに―「夜陰の旅立ち」から
帝国の空白地帯
信徒の共同体
ジハード元年
社会原理としてのウンマ
帝都ダマスカスへ
イスラーム帝国の確立
ジハードと融和の帝国
帝国の終焉とパクス・イスラミカ
帝国なきあとのジハード
イスラーム復興と現代

おすすめコメント

講談社創業100周年記念企画として刊行された全集「興亡の世界史」の学術文庫版。大好評、第2期の3冊目。21世紀の文明社会に波乱を呼ぶイスラームの原理とは本来どのようなものか、その誕生から歴史的な展開を通じて究明する。ビザンツ帝国とササン朝ペルシアの狭間にあるアラビア半島は長らく国家をもたない政治的空白地帯だった。そこに7世紀、絶対神アッラーを信奉し、人間の平等を説いて弱者救済を訴えるムハンマドが、迫害のなかイスラームの共同体を建設。マッカ(メッカ)とマディーナ(メディナ)に確立された共同体はやがてアラビア半島全域に広がる。632年のムハンマド死後は、わずか1世紀で西はイベリア半島、東は中央アジアに達したのである。ムハンマドの後継者たちはアラビア半島の外に溢れ出るように大征服に赴いた。「剣のジハード」によって正統カリフ時代(632〜661)からウマイヤ朝期(661〜750)に広大な版図が生まれ、都市国家は帝国へと変容、本格的なイスラーム帝国であるアッバース朝(750〜1258)の時代を迎える。ジハードはしばしば聖戦と訳されるが、根幹にはいかに社会正義を樹立するかという政治・社会的な課題と信徒が自己犠牲を厭わないという宗教的な命題がある。この原理と融和の原理が合わさって、多民族、多人種、多言語、多文化の人々を包摂し、多宗教をも融和するようなイスラーム帝国が構築された。イスラームを理解するためには、ジハードと融和という二つの原理を忘れてはならないと著者はいう。〔原本:『興亡の世界史06 イスラーム帝国のジハード』講談社 2006年刊〕

著者紹介

小杉 泰 (コスギ ヤスシ)  
1953年、北海道生まれ。エジプト国立アズハル大学イスラーム学部卒業。法学博士。京都大学大学院教授。専門はイスラーム学、中東地域研究。2012年に紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)