• 本

簡素な生き方

出版社名 講談社
出版年月 2017年2月
ISBNコード 978-4-06-220213-8
4-06-220213-1
税込価格 1,540円
頁数・縦 255P 19cm

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要旨

私たちを取り巻く環境、世界が以前にも増して複雑化しているのは、誰の目からも明らかだろう。膨大な情報、多様な価値観が入り乱れ、変化も激しい現代社会で、本来の「人間らしさ」を取り戻すのは困難のようにみえる。日本で「断捨離」がブームになっているのに、そうした背景があるのは確かだろう。本書は、1895年にフランスで刊行され、欧米でミリオンセラーとなった「La vie simple」の邦訳。当時の欧米では、産業革命後の工業化により、社会全体としては豊かになる一方で、貧富の差が広がりつつあった。現代と似たところもある激動の時代にあって著者は、人間らしさとは「簡素な生き方」「簡素な精神」にあるとし、物質的な豊かさやそれに伴う虚栄心や権威欲、傲慢さや野心などにとらわれない「善き人間」になるための考え方を説いている。著者のシャルル・ヴァグネル(1852-1918)はフランスの教育家、宗教家で、近代フランス初等教育を宗教から独立させ、無月謝の義務教育として確立させた功績でも知られる。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2017年3月24日]

商品内容

要旨

120年の時を経てよみがえる、フランス・シンプル思想の源流。すべての大人が見つめなおしたい「うつくしい道徳」

目次

複雑な生き方
簡素な精神
簡素な考え方
簡素な言葉
単純な義務
簡素な欲求
簡素な楽しみ
お金と簡素
名声と簡素
簡素な家庭
簡素な美しさ
簡素な社会
簡素のための教育

おすすめコメント

100年前にフランスで生まれ、アメリカで100万部を突破した「うつくしい道徳」が、よみがえる。心を正す、簡素な生活とは? 精神の在り方とは? 人との接し方とは? 今こそ読み直したい、心を正し、簡素に生きるための指針。フランス・シンプル思考の源流。○簡素の精神 簡素の本質とは、質素な服、住まい、ほどほどの暮らし、貧乏を指すのではない。簡素な生活とはシンプルな暮らしではなく、あるがままの自分でいること。人間の理想は、生活を生活そのものより偉大な宝物に変えること。○簡素な言葉 新聞をうのみにするな。記者は相食む蛇であり、仲間内で競争をしている。事実ではなく利益になることを言う人の、単純化された話を信じてはいけない。美しい言葉は着飾った奉公人のようなもので、奉公人本来の役目を果たさない。○簡素な義務 偉業に挑んで失敗した時ではなく、単純な義務を怠けたとき、人は魂を失う。破産して「何一つ失うものはない」というときは、手元に残った破片を拾うこと。窓ガラスが割れた時、犯人が見つかるまで割れたままにしておくのは愚かなこと。○簡素な楽しみ 戦場で一瞬、歌を口ずさむ兵士がいるように、困難のさなかにも喜びは見つかる。喜劇を見て評論する知識人より、大笑いする庶民のほうが、楽しむことの達人。悲しむ人に合わせて悲しい顔を作るより、その人が一粒の楽しみを見つける手伝いをせよ。・・・このほか、思想、欲求、ビジネス、人間関係、家庭、センスについて、いかに簡素であるべきかを提示。*** 本書は著者が結婚式でしたスピーチがもととなっている。話に感動した列席者が出版社に勤めており、書籍化を提案。半年後にフランスで刊行された。ルーズベルト大統領が「私たちが心に銘記すべきことをこれほど多く含んでいる書物は、私の知る限り他にはない」と絶賛したことでアメリカで100万部を超え、ヨーロッパでもさらに広く読まれた。

著者紹介

ヴァグネル,シャルル (ヴァグネル,シャルル)   Wagner,Charles
フランスの教育家、宗教家。1852〜1918年。プロテスタントの牧師を経て「たましいの故郷」という寺院を創立。社会教育、初等教育の発展に貢献。近代フランス初等教育を宗教から独立させ、無月謝の義務教育として確立させた
山本 知子 (ヤマモト トモコ)  
1958年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。東京大学新聞研究所研究課程修了。フィクション・ノンフィクションとも幅広く手がける仏語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)