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トポスの知 〈箱庭療法〉の世界 新・新装版

出版社名 CCCメディアハウス
出版年月 2017年3月
ISBNコード 978-4-484-17211-8
4-484-17211-9
税込価格 2,750円
頁数・縦 291P 図版24P 19cm
シリーズ名 トポスの知

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要旨

分析心理学(ユング心理学)、臨床心理学の日本における第一人者であり、文化庁長官も務めた、京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授、河合隼雄氏(2007年に逝去)。また日本文化・言語・科学・芸術など幅広い分野にわたる現代思想の著作がある哲学者、中村雄二郎氏。この両大家が対談し、初版が1984年に出版された後、新装版が出されるも品切れになっていた名著を、再度新装版として世に出したのが本書である。テーマは、河合氏が初めて日本に紹介・導入した「箱庭療法」。砂の入った箱の中に自由にさまざまなモノを並べるというシンプルな方法で、精神疾患や心身症の心理療法の一つとして用いられる。「明石箱庭療法研究会」で実際につくられた箱庭の事例をもとに両者が話し合うことで、中村氏の「都市論」の研究に関連する「トポス(場所)」としての箱庭の役割などの新しい知見が見出されている。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2017年04月28日]

商品内容

要旨

限定された砂箱という「場」に、人間存在の在り様が示される「箱庭療法」をめぐる哲学者と心理療法家の対話。

目次

箱庭療法と“私”
1 “自由に創ること”の楽しさ
2 豊かなイメージの世界
3 “癒やす”意味とその働き
4 隣接する領域とのかかわり
5 箱庭・その哲学的パフォーマンス
6 近代科学と新しい“知”のあり方
新しい都市論と箱庭表現

おすすめコメント

〈箱庭療法〉という心理療法の一技法をめぐる哲学者と心理療法家の対話。「言うまでもなく、箱庭療法は、箱庭を作ることによって心理療法が行なわれてゆくのであるが、そこに生じる多くの出来事は、人生のドラマといってもよく、限定された砂箱という『場』(トポス)に、人間存在の在り様が見事に提示されてくるのである。したがって、このことは、単に心理学とか心理療法ということを超えて、広く『人間存在』に対する関心を持っている人たちに、多くのことを知っていただきたいと思う新しい『知』をはらんでいるのである。」

著者紹介

河合 隼雄 (カワイ ハヤオ)  
1928年、兵庫県多紀郡篠山町(現・篠山市)出身。心理学者。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。専門は分析心理学(ユング心理学)、臨床心理学、日本文化。学位は博士(教育学)。日本人として初めてユング研究所にてユング派分析家の資格を取得し、日本における分析心理学の普及・実践に貢献した。箱庭療法を日本へ初めて導入。臨床心理学・分析心理学の立場から1988年に日本臨床心理士資格認定協会を設立し、臨床心理士の資格整備にも貢献した。2007年逝去
中村 雄二郎 (ナカムラ ユウジロウ)  
1925年、東京都出身。哲学者。明治大学名誉教授。東京大学文学部卒業後、文化放送に入社。その後、明治大学法学部教授を長く務めた。西洋哲学をはじめ日本文化・言語・科学・芸術などに目を向けた現代思想に関する著書が多数あり、山口昌男と共に1970年代初めから雑誌『現代思想』などで活躍、1984年から1994年まで「へるめす」で磯崎新、大江健三郎、大岡信、武満徹、山口昌男とともに編集同人として活躍した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)