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「穴場」の喪失

祥伝社新書 507

出版社名 祥伝社
出版年月 2017年6月
ISBNコード 978-4-396-11507-4
4-396-11507-5
税込価格 858円
頁数・縦 194P 18cm

商品内容

要旨

人間にも、街にも「穴場」が必要である―古代ローマ研究者と日本文化研究者による、比較文化対談!「穴場」の喪失は人間にどう影響を及ぼすか、このような社会でいかに生きるべきか、を語り合う。「食べログ」「ぐるなび」がローカルな飲食文化、すなわち「穴場」を破壊していると喝破した「ネット時代の飲食文化」。ヒーロー像の違いから国民性を読み解く「映画ヒーローの日米比較」。競馬・カジノの二面性を追う「ギャンブルと文化」。音楽・言葉・笑いの地域とのつながりを探る「地域性の彩り」。均質化が進み、「穴場」が失われつつある街で暮らすための処方箋を提示する「街に生きる」。―全5テーマ。

目次

第1章 ネット時代の飲食文化(ヘミングウェイと「穴場」
「食べログ」「ぐるなび」の弊害 ほか)
第2章 映画ヒーローの日米比較(西部劇の多様性
東西二分構造 ほか)
第3章 ギャンブルと文化(競馬は単なるギャンブルではない
競馬、競輪、競艇の違い ほか)
第4章 地域性の彩り(ラジオが音楽を変えた
日本人は短調を好む ほか)
第5章 街に生きる(歩ける街・東京
鉄道の発展と失われたもの ほか)

出版社・メーカーコメント

「穴場」が喪(うしな)われる時 「人間性」も喪われる。街、居酒屋、映画、ギャンブル、音楽、言葉、笑い…… 「現代」を映(うつ)し出す刺激的な対談! 「穴場」をめぐる知的冒険(以下、本文より) ●客には観察力が求められるのです。……私が店選びでもっとも重視するのは、人です。(モラスキー/第一章) ●暴力は、アメリカ社会の永遠のテーマのひとつです。……ベトナム戦争により、戦争に関する表現や思想が変わったのです。(モラスキー/第二章) ●ギャンブルの良さは……100円でも賭けることにより、スペキュレーション(分析、推察)に真剣味が帯(お)びることです。(本村/第三章) ●ジャズのスタンダードには、ミュージシャンそれぞれの演奏スタイルがあり、……バリエーションが豊富にあります。落語も同じです。(モラスキー/第四章) ●「ゲーテッドタウン」などと呼ばれる、街全体を壁やフェンスで囲う住宅地が、アメリカでは増えていると聞きます。……歴史学者の私には、「中世返り」に思えます。(本村/第五章) ●勇気を失うと、人生のなかでも取り返しがつかないこともあります。結局、穴場探しとは……でしょう。(本村/第五章) ■人間にも、街にも「穴場」が必要である 古代ローマ研究者と日本文化研究者による、比較文化対談! 「穴場」の喪失は人間にどう影響を及ぼすか、このような社会でいかに生きるべきか、を語り合う。「食べログ」「ぐるなび」がローカルな飲食文化、すなわち「穴場」を破壊していると喝破(かっぱ)した「ネット時代の飲食文化」。ヒーロー像の違いから国民性を読み解く「映画ヒーローの日米比較」。競馬・カジノの二面性を追う「ギャンブルと文化」。音楽・言葉・笑いの地域とのつながりを探る「地域性の彩(いろど)り」。均質化が進み、「穴場」が失われつつある街で暮らすための処方箋を提示する「街に生きる」。――全5テーマ。

著者紹介

本村 凌二 (モトムラ リョウジ)  
早稲田大学国際教養学部特任教授、東京大学名誉教授。1947年熊本県生まれ。一橋大学社会学部卒業、東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。専門は古代ローマ史。『薄闇のローマ世界』でサントリー学芸賞、『馬の世界史』でJRA賞馬事文化賞、一連の業績にて地中海学会賞を受賞
モラスキー,マイク (モラスキー,マイク)   Molasky,Michael S.
早稲田大学国際教養学部教授。1956年ミズーリ州セントルイス生まれ。シカゴ大学大学院東アジア言語文明学研究科博士課程修了。博士(文学)。ミネソタ大学教授、一橋大学教授を経て現職。著作に『戦後日本のジャズ文化』(サントリー学芸賞受賞)など。ジャズピアニストとしても活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)