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モディが変えるインド 台頭するアジア巨大国家の「静かな革命」

出版社名 白水社
出版年月 2017年7月
ISBNコード 978-4-560-09554-6
4-560-09554-X
税込価格 2,420円
頁数・縦 253,7P 20cm

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要旨

中国に次ぐ世界第2位の人口をもつ「世界最大の民主主義」国家、インド共和国。BRICsの一角を占める急成長めざましい新興国だったが、2010年代初めにはその経済成長の勢いが停滞していた。そんな状況を打破し、同国が再び成長路線に乗るきっかけとなったのが、2014年5月の総選挙である。インド国民会議からインド人民党が政権を奪取し、第18代首相にナレンドラ・モディ氏が就任したのだ。貧しい家庭に育ち、庶民から慕われながら大胆な改革を進めるモディ首相は、日本では「インドの田中角栄」とも評される。本書では、そのモディ首相の進める社会、経済、外交などの諸政策を紹介し、アジア有数の巨大国家がどこに向かっているか、それによって国際情勢や日本との関係がどのように変わっていくかを平易な言葉で論じている。著者は岐阜女子大学南アジア研究センター特別研究員を務める南アジアを専門とする研究者。在インドをはじめ、在パキスタン、在中国の日本大使館に専門調査員として勤務した経験をもつ。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2017年08月23日]

商品内容

要旨

「SNSフォロワー数世界一のリーダー」といわれる第18代首相の姿を通して、現代インドの政治、経済、社会、外交を概観し、南アジア情勢と日印関係を気鋭の研究者がわかりやすく解説する。

目次

第1章 躍動する「世界最大の民主主義」(インドの国会と選挙
国民会議派政権を率いたマンモーハン・シンとソニア・ガンディー ほか)
第2章 変わりゆく経済と社会(高額紙幣廃止の衝撃
経済自由化の四半世紀 ほか)
第3章 「同盟」と「非同盟」のあいだ(モディ訪米
対立から協力へ―「核」が印米を結びつけた ほか)
第4章 南アジア・インド洋をめぐる印中「新グレート・ゲーム」(揺らぐインドの優越性―変貌する南アジアの国際関係
自ら動いたモディ ほか)
第5章 「インド太平洋」時代の日本とインド(モディと日本
遠かったインド ほか)

おすすめコメント

現代インドの実相が見えてくる 昨年11月、「トランプ・ショック」の陰でいきなり高額紙幣の廃止を宣言し、インド国民のみならず国際社会の度肝を抜いた首相ナレンドラ・モディ。そのカリスマ性や高い実務能力、大胆な政策、巧みな官僚操縦、そしてエリート階級の出身ではないたたき上げという点で、「インドの田中角栄」とも評される人物だ。本書は「SNSフォロワー数世界一のリーダー」と言われるモディの姿を通して、現代インドの政治、経済、社会、外交を概観し、南アジア情勢と日印関係についてわかりやすく解説した入門書である。伸長著しいインドの台頭ぶりを示す指標は枚挙にいとまがない。しかし、存在感と重要性が増す一方で、インドは依然として「わかりづらい」という印象を持たれがちだ。「牛の保護」が重大な政治的・社会的イシューとなっているのはなぜか。今なお続くカースト制度や宗教対立の背景には何があるのか。地域と国際社会でのインドの興隆は日本にとって何を意味するのか。また、米中とどのように距離をとっていくのか――。長年にわたって南アジア研究に携わってきた著者がこうした疑問に丁寧に答え、巧みな筆致で現代インドの諸相をあぶり出す。写真・図版多数収載。

著者紹介

笠井 亮平 (カサイ リョウヘイ)  
1976年愛知県生まれ。岐阜女子大学南アジア研究センター特別研究員。中央大学総合政策学部卒業後、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科で修士号取得。在中国、在インド、在パキスタンの日本大使館で外務省専門調査員として勤務。早稲田大学大学院、東京大学、横浜市立大学などで非常勤講師を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)