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山本七平の思想 日本教と天皇制の70年

講談社現代新書 2440

出版社名 講談社
出版年月 2017年8月
ISBNコード 978-4-06-288440-2
4-06-288440-2
税込価格 946円
頁数・縦 286P 18cm

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要旨

なぜ日本経済が行き詰まったのか、どうして日本外交がうまくいかないのか。そういった疑問の答えを求め、これまでの日本論、日本人論を見直す動きが出てきている。そのなかで、評論家の山本七平氏(1921-1991)を無視できないだろう。イザヤ・ベンダサンという架空のユダヤ人の名前で発表した『日本人とユダヤ人』『「空気」の研究』『日本資本主義の精神』など、数々の名著を続々と出版。「空気の支配」といった今では半ば常識的になった日本社会と国民性の本質を鋭く指摘してきた。天皇制やキリスト教の研究でも知られる。本書では、その生涯と思想の変遷を追いながら、その叡智を徹底分析している。著者はフリーのジャーナリスト。ビジネス誌や論壇誌の編集者として活動し、「ザ・ビッグマン」「発言者」の編集長、「表現者」編集委員を歴任した。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2017年09月19日]

商品内容

要旨

『「空気」の研究』『日本人とユダヤ人』…日本社会と国民性の本質を見抜く力。日本独自の「日本教」の正体とは。なぜ「空気」は日本全体を覆うのか。明治以降の天皇制が果たした役割等を鋭く問い続けた七平の戦いとは!?

目次

プロローグ 七平とは何者なのか
第1章 社会現象としての『日本人とユダヤ人』―謎のユダヤ人イザヤ・ベンダサンが、見えない宗教「日本教」を発見した衝撃
第2章 「三代目キリスト教徒」の異常体験―日本社会のなかの「異教徒」として過ごした、山本七平の幼少年期の秘密にせまる
第3章 『私の中の日本軍』と果てしない論争―フィリピンのジャングルの中で、絶望的な戦いを強いられた七平は何を手にしたのか
第4章 名著『「空気」の研究』はいかにして生まれたか―日本人を支配してやまない「空気」。その本当の恐ろしさを七平自身の言葉から読む
第5章 山本書店店主と『日本資本主義の精神』―鋭く日本社会を分析した七平の目は、戦後日本の繁栄とその急速な没落を見抜いていた
第6章 二十年かけた『現人神の創作者たち』―戦時中、若者たちの血を要求した「現人神」の謎を、孤独な探究が解き明かしていた
第7章 戦後社会と『昭和天皇の研究』―戦前・戦中の昭和天皇の「おことば」を分析し、近代日本と立憲君主制の本質を洞察
第8章 『禁忌の聖書学』と日本人―七平が心に秘めたキリストへの信仰と、日本繁栄への思いは根底でつながっていた
エピローグ―七平が洞察した「未来」の日本

おすすめコメント

イスラム教など宗教への関心が高まる一方、天皇退位で国内が揺れる日本社会。日本人と文化への鋭い批評を行った山本を再評価する試み

著者紹介

東谷 暁 (ヒガシタニ サトシ)  
1953年山形県に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。ビジネス誌や論壇誌の編集者として活動。「ザ・ビッグマン」編集長、「発言者」編集長、「表現者」編集委員を歴任後、1997年よりフリーのジャーナリストとして活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)