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この世の春 上

出版社名 新潮社
出版年月 2017年8月
ISBNコード 978-4-10-375013-0
4-10-375013-8
税込価格 1,728円
頁数・縦 397P 20cm
シリーズ名 この世の春

書店レビュー 総合おすすめ度: 全2件

  • 心ある者の心を震わさずにはいられないような、心の物語

     その専横ぶりが不評を買っていた御用人頭が失脚し、六代藩主・北見重興が重病篤により隠居するという急な政変に見舞われる北見藩。物語は、宝永七年(一七一〇年)皐月(五月)の夜半、失脚した御用人頭の屋敷で乳母を務めていた女が各務数右衛門の住まいを訪ねてきたのを、娘の多紀が出迎えるところから始まる。上下巻合わせて800ページ近く、普段読み慣れていないジャンルである時代小説の大作にすこしだけ不安を覚えながら、読み始めたのですが、冒頭から引き込まれてしまいました。本書は時代小説の枠組みの中で、心(精神)の謎を解き明かそうとする(幻想味のある)時代ミステリの傑作です。
     親しみやすい登場人物(後半から主要な登場人物の一人となる気弱な登場人物が個人的には好きでした)たちが冷酷な物語に柔らかな光を与えている。残酷だが、優しい物語だ。真相は醜悪であるにも関わらず、読後感は決して悪くない(ただ結末に、すこし苦味が加えられています。途中退場するある登場人物はもうすこし報われて欲しかったな、という気もしました。とはいえ捉え方次第では、報われている、と言えるのかも……)。心ある者の心を震わさずにはいられないよう

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    (2017年12月15日)

  • この世の春 上

    宮部みゆきファン待望の大作。作家生活30周年にふさわしいサイコミステリーの上下巻の長編作品だ。独特の時代物感が宮部作品の真骨頂。復讐劇、謎解き、様々な要素が織り交ぜているからページをめくる手が止まらない。ちょっぴり恋愛小説っぽいところも、ホッとさせてくれる。宮部ファンはもちろんのこと、初めての方もトリコになってしまうひきいれよう。秋の夜長にふさわしい、超大作をご堪能あれ。

    (2017年10月22日)

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商品内容

要旨

憑きものが、亡者が、そこかしこで声をあげる。青年は恐怖の果てに、ひとりの少年をつくった…。史上最も不幸で孤独な、ヒーローの誕生。

おすすめコメント

それは死者たちの声?それとも心の扉が開く音?小説史に類を見ない息を呑む大仕掛け。21世紀最強のサイコ&ミステリー長編小説。