• 本

皇帝と拳銃と

出版社名 東京創元社
出版年月 2017年11月
ISBNコード 978-4-488-02778-0
4-488-02778-4
税込価格 2,052円
頁数・縦 356P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 死神のような探偵が犯人を追い詰めていく。傑作倒叙ミステリ集!

    《そしてもう一人の中年の刑事がまた特徴的で、なかなか不気味な外観をしていた。喪服のような黒の上下に、痩せた枯れ木のような身を包んでいる。全身から漂う陰気で鬱々としたオーラもさることながら、その顔立ちが、何ともいえず気味が悪い。感情と生気が感じられない目をしたその警部の顔は、まるで悪魔の使いみたいに見える。いや、この陰気さは悪魔というより死神――そう、死神だ。西洋の宗教画などで描かれる死神が、ちょうどこんな顔をしている。》
     殺人者の計画が小さなほころびから崩れていく。本書は犯人が先に明かされる、いわゆる《倒叙ミステリ》の形式で物語が進んでいきます。探偵役を務める死神を思わせる警察官、乙姫警部によって徐々に追い詰められていく犯人、という構図が犯人の不安や緊張を読者に共有させます。そして場合によっては犯人に同情をすることさえあります。とはいえ犯人は決して可哀想な存在(例外的な人物もいますが……)ではなく、身勝手な思考などもしっかりと描かれていて、その嫌な面が犯人たちの印象をより強めているようにも感じました。
     相方を殺害したコンビ作家の片割れ、恐喝者を殺害した大学教授、悪徳金融業者の叔

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    (2017年12月28日)

商品内容

要旨

私の誇りを傷つけるなど、万死に値する愚挙である。絶対に許してはいけない。学内で“皇帝”と称される稲見主任教授は、来年に副学長選挙を控え、恐喝者の排除を決意し実行に移す。犯行計画は完璧なはずだった。そう確信していた。あの男が現れるまでは。著者初の倒叙ミステリ・シリーズ、全四編を収録。“刑事コロンボ”の衣鉢を継ぐ警察官探偵が、またひとり誕生する。

おすすめコメント

計画は練りに練った。ミスなどあるはずがなかった。それなのに……いったいどこに落ち度があったというのだ!? 犯罪に手を染めた大学教授、推理作家、劇団演出家らの前に立ち塞がる、死神めいた風貌の警部の鋭利な推理。〈刑事コロンボ〉の衣鉢を継ぐ倉知淳初の倒叙シリーズ、4編を収録。

著者紹介

倉知 淳 (クラチ ジュン)  
1962年静岡県生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。94年、『日曜の夜は出たくない』で作家デビュー。2001年、『壺中の天国』で第1回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)