• 本

風神の手

出版社名 朝日新聞出版
出版年月 2018年1月
ISBNコード 978-4-02-251514-8
4-02-251514-7
税込価格 1,836円
頁数・縦 418P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 哀しみの中に、希望が忍ばせられた、優しい物語

     遺影専門の写真館《鏡影館》。重病を抱え、「準備」のために遺影を撮りに行く母と一緒に鏡影館を訪れた娘は、一人の老人の遺影を見て、様子がおかしくなった母のことが気に掛かり……。《――ずっと昔に、お母さんのせいで、死んじゃった人がいるの。》そこには二十七年前、火振り漁の夜から始まる哀しい事件があった。そんな第一章「心中花」から始まる物語は章によってそれぞれ別の出来事を描きながら、深い根っこの部分で繋がってゆく……、
     どれだけ孤独に生きようとしても、他者に一切の影響を与えない、というのは限りなく不可能に近いでしょう。存在しているだけで、多かれ少なかれ他者になんらかの影響を与えているものです。そしてその影響というのも厄介なもので、善い行いが悪しき影響を与えることもあれば、悪しき行いが善い影響を与えることもあります。人間関係は、いい加減でもあり、繊細でもある、という複雑なものなのかもしれません。そういった思った通りにいかないもどかしさが丁寧に描かれているのが、本書です。哀しい物語です。しかし哀しみの中に、希望が忍ばせられた、優しい物語でもあります。そして緩やかに繋がっていく物語はやがて意外な

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    (2018年1月17日)

商品内容

要旨

彼/彼女らの人生は重なり、つながる。隠された“因果律”の鍵を握るのは、一体誰なのか―章を追うごとに出来事の“意味”が反転しながら結ばれていく。数十年にわたる歳月をミステリーに結晶化した長編小説。

おすすめコメント

彼/彼女らの人生は重なり、つながる。 隠された“因果律(めぐりあわせ)”の鍵を握るのは、一体誰なのかーー 遺影専門の写真館「鏡影館」がある街を舞台にした、朝日新聞連載の「口笛鳥」を含む長編小説。読み進めるごとに出来事の〈意味〉が反転しながらつながっていき、数十年の歳月が流れていく──。道尾秀介にしか描けない世界観の傑作ミステリー。   ささいな嘘が、女子高校生と若き漁師の運命を変える――心中花 まめ&でっかち、小学5年生の2人が遭遇した“事件”――口笛鳥 死を前にして、老女は自らの“罪”を打ち明ける ――無常風 各章の登場人物たちが、意外なかたちで集う ――待宵月

著者紹介

道尾 秀介 (ミチオ シュウスケ)  
1975年、東京都出身。2004年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、デビュー。07年に『シャドウ』で本格ミステリ大賞、09年に『カラスの親指』で日本推理作家協会賞、10年『龍神の雨』で大藪春彦賞、同年『光媒の花』で山本周五郎賞、11年『月と蟹』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)