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物流は世界史をどう変えたのか

PHP新書 1129

出版社名 PHP研究所
出版年月 2018年1月
ISBNコード 978-4-569-83766-6
4-569-83766-2
税込価格 946円
頁数・縦 219P 18cm

商品内容

要旨

国力を左右する主な要因は軍事力や工業力、あるいは人口だと考えられることが多い。だが多くの識者にとって盲点となっている重要なファクターが一つある。「物流」である。漢の武帝はヨーロッパに先駆けて、物流に国家が介入するシステムを構築して財政を安定させた。オランダはバルト海地方から輸入した穀物を、食料不足にあえいでいた欧州各地に運搬することで覇権国家となり、イギリスではクロムウェルが航海法を制定したことがパクス・ブリタニカの要因となった。さらにフェニキア人の活躍から社会主義国家の決定的な弱点まで、経済史研究の俊英が平明に語る。

目次

フェニキア人はなぜ地中海貿易で繁栄したのか
なぜ、東アジアはヨーロッパに先駆けて経済発展したのか
イスラーム王朝はいかにして国力を蓄積したのか
ヴァイキングはなぜハンザ同盟に敗れたか
なぜ中国は朝貢貿易により衰退したのか
地中海はなぜ衰退し、バルト海・北海沿岸諸国が台頭したのか
喜望峰ルートは、アジアと欧州の関係をどう変えたか
東インド会社は何をおこなったのか
オランダはなぜ世界で最初のヘゲモニー国家になれたのか
パクス・ブリタニカはなぜ実現したのか
国家なき民は世界史をどう変えたのか1―アルメニア人
国家なき民は世界史をどう変えたのか2―セファルディム
イギリスの「茶の文化」はいかにしてつくられたのか
なぜイギリスで世界最初の工業化(産業革命)が生じたのか
アメリカの「海上のフロンティア」とは
一九世紀、なぜ西欧とアジアの経済力に大差がついたのか
社会主義はなぜ衰退したのか

おすすめコメント

歴史を動かすファクターとして「物流」はきわめて重要ながら、なぜか語られる機会は少ない。漢の興隆やイギリスの覇権の本質に迫る。

著者紹介

玉木 俊明 (タマキ トシアキ)  
京都産業大学経済学部教授。大阪市生まれ。1987年同志社大学文学部文化学科卒。93年同大学院博士課程単位取得退学。96年京都産業大学経済学部講師、2000年助教授、07年教授。09年『北方ヨーロッパの商業と経済1550‐1815年』(知泉書館)で大阪大学博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)