• 本

元年春之祭

HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS 1935

出版社名 早川書房
出版年月 2018年9月
ISBNコード 978-4-15-001935-8
4-15-001935-5
税込価格 1,650円
頁数・縦 326P 19cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • この上なく魅力的な、殺人の舞台と状況と真相と

    はるか昔の中国を舞台にした本格推理小説です。
    主人公の少女と、彼女を招いた家の三女を中心に語られます。
    会話は中国の数多くの古典(たとえば論語、礼記、詩経、易経など)からの引用が多く、ちょっと難しそうな印象があるのですが、難しいところは飛ばし読みをしてもよいと作者が公言していますので、ほとんどハードルは感じませんでした。
    過去にこの家であった大量殺人事件、そして作中に発生する連続殺人事件は大変魅力的な仕立てとなっているので、謎のヒントを得たいと思えば、すいすいと読み進めてしまうのです。

    作中2回、読者への挑戦が出てきます。そこでまたじっくりと謎解きに集中し、推理を楽しむことができます。

    作者は中国の方なのですが、日本の”新本格ミステリ”を好きになって自分も同じような小説を書こうと志し、作家になったそうです。
    その純粋な思いと誠実さが詰まった、たぐいまれなる傑作だと思います。

    (2018年10月14日)

商品内容

要旨

前漢時代の中国。かつて国の祭祀を担った名家、観一族は、春の祭儀を準備していた。その折、当主の妹が何者かに殺されてしまう。しかも現場に通じる道には人の目があったというのに、その犯人はどこかに消えてしまったのだ。古礼の見聞を深めるため観家に滞在していた豪族の娘、於陵葵は、その才気で解決に挑む。連続する事件と、四年前の前当主一家惨殺との関係は?漢籍から宗教学まで、あらゆる知識を駆使した推理合戦の果てに少女は悲劇の全貌を見出す―気鋭の中国人作家が読者に挑戦する華文本格ミステリ。

著者紹介

陸 秋槎 (リク シュウサ)  
1988年中国、北京生まれ。復旦大学古籍研究所在学中の2014年に短篇ミステリ「前奏曲」を発表し、第二回華文推理大奨賽の最優秀新人賞を受賞した。2016年に『元年春之祭』で長篇デビュー
稲村 文吾 (イナムラ ブンゴ)  
早稲田大学政治経済学部卒、中国語文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)