介錯人
出版社名 | 光文社 |
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出版年月 | 2019年2月 |
ISBNコード |
978-4-334-91268-0
(4-334-91268-0) |
税込価格 | 1,870円 |
頁数・縦 | 275P 20cm |
商品内容
要旨 |
不浄な「首斬人」と蔑まれる生業を継いだ別所龍玄。父に代わって首打役の手代わりを始めたのは十八の春であった。親子三代の中で一番の腕利きとなった彼の元には、外には出せないお家の事情を抱える武家から、武士が屠腹するときの介添役を依頼されるようになる。凄惨な生業の傍ら、湯島無縁坂での穏やかな家族との日々。凛として命と向き合う、若き凄腕介錯人の矜持。 |
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おすすめコメント
不浄な「首斬り人」と蔑まれる生業を祖父、父から継いだ別所龍玄。童子のような男のどこに、その技芸がひそんでいるのかと、周囲から好奇と恐れを抱かれるが、感覚、俊敏さ、剣さばき、どれをとっても空恐ろしいほどの才を天から授かった男は、今日も命を見届ける。彼は、外には出せないお家の事情を抱える武家から、武士が屠腹するときの介添え役を依頼されるようになる。その最期は、一個のわが生と一個の他者の死に向き合った一瞬が、例えようもなく厳かに感じられた。御家人や旗本相手の金貸し業で別所家を守ってきた母・静江、五つ年上で幼い龍玄の憧れだった妻・百合と生まれて一年の娘・杏子を愛し、死と対峙する若き介錯人の生き様は、読む者の胸に静かに熱く迫る。著者初の単行本。