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大分断 格差と停滞を生んだ「現状満足階級」の実像

出版社名 NTT出版
出版年月 2019年7月
ISBNコード 978-4-7571-2363-2
4-7571-2363-9
税込価格 2,640円
頁数・縦 318P 20cm

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要旨

このところ世界を一変するようなイノベーションが少ないと感じることはないだろうか。シリコンバレーを擁する米国でもGAFAなどの巨大企業が富を独占、民衆レベルでも貧富の格差が固定化するなどの「分断」が生じ、経済が停滞しつつある。しかも、安定・安全志向で変化を嫌う人々が増えているという。本書では、「現状満足階級」の台頭と、それによる分断の拡大、イノベーションの減退が生じている米国の現状を分析、それによって起こりうる事態に警鐘を鳴らしている。現状満足階級とは、移住や転職などの変化やリスクを避け、問題解決に動くことも少ない不活発な人々を指す、著者の造語である。そうした階級が全米を席巻しつつあり、社会に影響を及ぼしていることを、さまざまな統計データなど明確なエビデンスをもとに検証。その一方で変化の波は防ぎようもなく、金融危機や犯罪の増加などの大混乱が起きる可能性もあることを指摘する。そして日本は「現状満足階級」の先駆者なのだという。著者は、米国ジョージ・メイソン大学経済学教授、同大学マルカタスセンター所長。「世界に最も影響を与える経済学者の一人」(英エコノミスト誌)であり、著書にいずれもベストセラーになった『大停滞』『大格差』(NTT出版)がある。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2019年08月9日]

商品内容

要旨

安定・安全志向が強く、変化を嫌う「現状満足階級」の台頭が分断を拡大させ、イノベーションを減退させる―。社会階層の流動性はなぜ失われたのか?デジタル技術がなぜ格差の拡大を生むのか?開拓者精神を失った世界はどこに向かうのか?全米ベストセラー『大停滞』『大格差』で論争を呼んだ経済学者が、「変わらない時代」の快適さに警鐘を鳴らす。

目次

はじめに―日本は「現状満足階級」の先駆者だ
第1章 現状満足階級の誕生
第2章 移住大国の変容
第3章 甦る社会的分断
第4章 創造しなくなったアメリカ人
第5章 マッチング社会の幸福論
第6章 アメリカ人が暴動をやめた理由
第7章 活力を失った社会
第8章 民主主義の形骸化が進む
第9章 現状満足階級が崩壊する日
解説 タイラー・コーエンの思想的立ち位置―リバタリアニズム(自由至上主義)という視点(渡辺靖(慶應義塾大学SFC教授))

著者紹介

コーエン,タイラー (コーエン,タイラー)   Cowen,Tyler
米国ジョージ・メイソン大学経済学教授・同大学マルカタスセンター所長。1962年生まれ。ハーバード大学にて経済学博士号取得。人気経済学ブログ「Marginal Revolution」、オンライン教育プロジェクト「MRUniversity」を運営するなど、最も発信力のある経済学者として知られる
渡辺 靖 (ワタナベ ヤスシ)  
慶應義塾大学SFC教授。専門はアメリカ研究、文化政策論。1967年生まれ。ハーバード大学大学院博士課程修了(Ph.D.社会人類学)。ハーバード大学国際問題研究所、オクスフォード大学シニア・アソシエート、ケンブリッジ大学フェローなどを経て現職。著書に『アフター・アメリカ』(慶應義塾大学出版会、サントリー学芸賞)など
池村 千秋 (イケムラ チアキ)  
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)