• 本

精神科医がみた老いの不安・抑うつと成熟

朝日選書 992

出版社名 朝日新聞出版
出版年月 2019年12月
ISBNコード 978-4-02-263092-6
4-02-263092-2
税込価格 1,650円
頁数・縦 251P 19cm

商品内容

要旨

老いゆく心をわかっている?精神科医として大学病院や精神科病院で高齢者を診てきた著者は、1979年に認知症をより知りたく老人医療・福祉の現場に入った。高齢者はそれまでは自らの精神的危機を超えてきたのに、加齢とともに伴侶や友人を喪失、独居や同居、身体的機能の低下、孤独、社会とのつながりの変化から、不安、葛藤、怒りに苛まれる。腰痛や風邪、人間関係の小さなトラブルをきっかけに、妄想や不安障害、うつ病を患っていく。豊富な臨床例、多田富雄、木村敏、神谷美恵子、ボーヴォワール、映画『八月の鯨』、ジャンケレヴィッチ、ボウルビィ等をもとに、老年期の特性を捉える。病の症状の底流にある「老いを生きること」の実相とは?大上段の構えではない、老いの自然な姿、成熟とは?老年精神医学の第一人者による実践的に役立つ生活の視点からみた臨床の覚書。

目次

第1章 老年精神科事始め
第2章 老年期心性の特異性と不安・抑うつ
第3章 抑うつの精神医学
第4章 老年期の妄想
第5章 隠喩としての「認知症」
第6章 脳症状の臨床からみる1 せん妄
第7章 脳症状の臨床からみる2 生活を通して認知症を考える
第8章 老いをいかに生きるか―ある100歳老人から

おすすめコメント

老年精神医学の第一人者による、生活の視点からみた実践的に役立つ臨床の覚書。老いゆく心をわかっているのだろうか? 精神科医として大学病院や精神科病院で高齢者を診てきた著者は、1979年に認知症をより知りたく老人医療・福祉の現場に入った。高齢者はそれまでは自らの精神的危機を乗り越えてきたのに、加齢とともに伴侶や友人を喪失、独居や同居という住宅環境、身体的機能の低下、孤独、社会とのつながりの変化から、不安、葛藤、怒りに苛まれる。腰痛や風邪、人間関係の小さなトラブルをきっかけに、妄想や不安障害、うつ病を患っていく。豊富な臨床例、多田富雄、木村敏、神谷美恵子、ボーヴォワール、映画『八月の鯨』、ジャンケレヴィッチ、ボウルビィ等をもとに、老年期の心理的特性を捉える。病の多彩な症状の底流にある「老いを生きること」の実相とは? 大上段の構えではない、老いの自然な姿、成熟とは? そして100歳老人の愉快な奔放人生も追う。◯ 帯には推薦文もっと早くにこの本があったなら。母を介護した日々を思う。そして今わたしが「老い」の中へ。ひとつとして同じものはない老いを拓き照らす本である。――落合恵子老いを生きる人の心身は知られていない。生活の場からみた豊富な臨床例と分析は、医療・介護関係者、家族・友人、また老いゆく人にも必読だ。――都立松沢病院院長・精神科医 齋藤正彦 ◯目次からはじめに 第1章 老年精神科事始め  第2章 老年期心性の特異性と不安・抑うつ  鏡に映る自分に愕然とする/死の現前化/喪失体験/老いの孤独/老年期の適応という課題 第3章 抑うつの精神医学  60、70代のうつ病/80、90代のうつ病/定年退職後のうつ病/孫の子守でうつ病になる/超高齢者と抗うつ薬/うつ病と認知症の鑑別/高齢者のうつ病治療第4章 老年期の妄想  盗られ妄想/嫉妬妄想/隣の物音――嫌がらせという迫害妄想第5章 隠喩としての「認知症」 どんなことが「認知症」といわれているか/「ごみ屋敷」は個性的である 第6章 脳症状の臨床からみる1 せん妄  せん妄とは何か/夕方症状群第7章 脳症状の臨床からみる2 生活を通して認知症を考える 「認知症」の多様性   第8章 老いをいかに生きるか――ある100歳老人から

著者紹介

竹中 星郎 (タケナカ ホシロウ)  
1941年東京都生まれ。精神科医。1966年千葉大学医学部卒。東京都立松沢病院、信州大学医学部、社会福祉法人浴風会病院に勤務。52歳で医療・福祉の第一線から身を退く。その後は浜田クリニックでは東京下町の精神医療にたずさわり、社会福祉法人かがやき会の嘱託医として精神障碍者の生活支援にかかわる。長野県富士見高原病院では非常勤医として農村の精神科医療にたずさわってきた。公職としては、大正大学人間学部臨床心理学科長、放送大学客員教授、杉並区さんあい公社嘱託医、社会福祉法人かがやき会理事、医療法人社団道草会浜田クリニック理事などもつとめた。2019年9月8日食道がんで逝去。享年77(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)