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「馬」が動かした日本史

文春新書 1246

出版社名 文藝春秋
出版年月 2020年1月
ISBNコード 978-4-16-661246-8
4-16-661246-8
税込価格 990円
頁数・縦 271P 18cm

商品内容

要旨

日本に朝鮮半島から馬が持ち込まれたのは古墳時代の中期。その軍事的、経済的なインパクトによって、この国のかたちは大きく変わった。水田稲作が普及した後は西日本にあった国の軸が、東日本へ傾き始めたのだ。巨大古墳の造営、武士の誕生、武士政権の成立…この国の歴史は馬が動かした。

目次

序章 「馬の日本史」のはじまり
第1章 関西―巨大古墳と武士の文化
第2章 九州―火山と馬産地
第3章 関東―なぜ鎌倉に武士政権が誕生したのか
第4章 東北―南部馬、その栄光と悲劇
終章 将軍の牧を駆けぬけた野馬たち

出版社・メーカーコメント

馬が日本の歴史を動かした!もともと馬がいなかった日本列島に、馬が持ちこまれたのは五世紀ごろ。古墳時代の中期である。それを期に、この国は大きく変貌を遂げた。「馬」という補助線をひいて、日本の歴史を考えると、これまで謎とされてきた事象が説明できる。○なぜ世界最大の古墳は、ヤマト王権の中心地であった奈良ではなく、大阪・河内地方にあるのか。○なぜ東日本最大の古墳は群馬県にあるのか。○なぜ九州最大の古墳は宮崎県にあるのか。○なぜ前方後円墳がもっとも多いのは千葉県なのか。○なぜ武士政権は東日本に誕生したのか。こうした謎を解く鍵が「馬」なのである。山がちでありながら、じつは日本列島には馬の飼育に適した草原が広がっており、東アジア随一の巨大な馬の生産国だったのだ。おもな馬の生産地は北東北、千葉、山梨、伊勢、河内、九州南部。すなわち奥州藤原氏、平将門、武田信玄、平清盛を輩出した伊勢平氏、源頼朝のルーツ河内源氏、島津家と、日本史に輝く武将の地盤と重なっているのだ。徳川家康の生まれた三河も馬産地である。古代から近代以前、馬は重要な輸送機関であり、軍事兵器だった。だから高値で売買され、莫大な富を馬産地にもたらした。その馬産地から、馬の活用にたけた武力集団が誕生し、彼らが権力を奪取した。この国のかたちを決めたのは「馬」なのだ。

著者紹介

蒲池 明弘 (カマチ アキヒロ)  
歴史ライター。1962年、福岡県生まれ。小学校から高校までは長崎県在住。早稲田大学卒業後、読売新聞社に入社、東京本社経済部、甲府支局などで勤務。中途退社後、桃山堂株式会社を設立し、歴史や神話にかかわる出版、著述活動をはじめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)